30tの艦載機が2秒で300km/h!空母の蒸気カタパルト脅威の加速どう実現?米仏のみ運用
空母から艦載機を飛ばす際に使用される「カタパルト」は広く知られるでしょうが、現行の「蒸気式」を開発、かつ運用している国となると、実はアメリカだけに限られます。旧日本海軍も取り組んだ各種カタパルトの歴史をたどります。
蒸気の力は偉大 30tの重さの鉄塊もひとっ飛び
2020年現在、空母を保有するのは世界で8か国です。しかし、空母の発着艦システムのひとつである蒸気カタパルトを運用しているのはアメリカとフランスのみで、さらに開発製造まで行っているのはアメリカ1国のみです。
空母が搭載する艦載機には、固定翼機(飛行機)と回転翼機(ヘリコプター)があり、カタパルトは垂直離着陸のできない前者が用いるものです。本記事では以下、特に断りのない限り、「艦載機」は固定翼機を指します。
「蒸気カタパルト」は、重さ30t以上の艦載機をわずか2秒で約300km/hまで加速させることができますが、このノウハウがないロシアや中国、インドなどの正規空母は、「スキージャンプ台」と呼ばれる上向きの傾斜甲板を用いて艦載機を発艦させています。もちろん、より大重量の機体を発艦させることができるのはカタパルト射出の方です。
アメリカ海軍の原子力空母が搭載する蒸気カタパルトは全長約94mで、空母1隻につき4基装備しています。
カタパルトを構成するおもなものは、甲板下に埋め込まれた2本の金属製シリンダーと、その中を行き来するピストンで、このふたつのピストンをつなぐアーム部分が、艦載機前脚の一部を引っかけるフックになります。艦載機の射出時は、このピストンが30気圧から70気圧という蒸気の力で押され、一気に加速するという仕組みです。
なおカタパルトの射出力は、飛行機の重量によってその都度調整されており、これは甲板下にあるカタパルト制御室で行われています。
アメリカ人が蒸気式カタパルトになれてるから電磁カタパルトじゃあなくなるんじゃないの?
アメリカ以外で唯一
フランスの原子力空母
「シャルル・ド・ゴール」
カタパルトはアメリカ製(笑)
二次大戦でのカタパルトの有無は大きい。お陰でアメリカは鈍足な護衛空母を攻撃力に関しては正規空母に劣らないレベルで大量に建造できたし、日本は船足の速い艦を作らないと空母にならないから建造に金と時間がかかった上に飛行機の重量化に伴い結局軽い零戦を爆装して積まないとならなかった。