ご近所のマイカーにバス回数券で乗車 富山で本格始動の「共助型」乗り合いサービスの特徴は【Merkmal】

町長「免許を返納しやすい環境を整えることが課題」

 ノッカルのサービスは博報堂が設計。スズキはサービス設計と一部車両(軽自動車)の貸与と維持管理、地元タクシー会社の黒東自動車商会は予約受付や配車を担当している。町は運行主体を担うとともに、ドライバーと利用者の募集・管理を行う。

 2020年8月に町職員の運転で実証実験が始まり、同年10月から地域住民による運転もスタート。2021年1月に有償化し、10月から本格運用を実現した。実証実験中は、ドライバー22人が参加し、延べ799人が利用。ユーザーの平均年齢は82歳で大半が女性という。

 10月12日(火)に開かれた本格運行記念セレモニーで、笹原靖直町長は「公共交通を充実させて運転免許を返納しやすい環境を整えることが課題と考えていました」とこれまでの取り組みを振り返る。

 ノッカルは既存の鉄道やバス、タクシーではカバーできないニーズに応えられるほか、マイカーや町民といった遊休資産・人材の活用につながる。ドライバーからは「保険があるので安心」といった声や、「地域に貢献できてうれしい」といった感想が寄せられたという。

 博報堂の担当者は、ドライバーが「ノッカルさん」の愛称で親しまれたり、移住してきたドライバーが地域に溶け込むきっかけになったり、コミュニティの中での助け合いが可視化されたりといった効果を紹介。「プロジェクトの目的は、コミュニティバスやタクシーを含めた地域交通の最適化」とし、今後もノッカルの改良を進めていくとしている。

 また、朝日町と博報堂は12日(火)、自治体サービスのDX推進に関する連携協定を締結。交通分野に限定せず、住民の利便性向上を目的として、地域コミュニティと自治体サービスの再構築をDXで進めていく方針だ。

【了】

提供:Merkmal
「Merkmal(メルクマール)」とは……「交通・運輸・モビリティ産業で働く人やこの業界へ進出したい人が、明日に役立つ気づきを得られるニュースサイト」として発足しました。MaaS、CASE、環境への対応、自動運転技術など、変革著しい交通・運輸・モビリティ産業にまつわる最新ビジネス情報を独自の視点で発信しています。

【写真】「ノッカル」本格運用スタートのテープカット

Writer: Merkmal編集部

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