国鉄情緒あふれるJR米子駅 駅舎の解体進む 「旅のドラマは米子駅から」も消滅へ
1963年に完成した鳥取県米子市にあるJR米子駅の駅舎が、リニューアル工事に伴い解体されています。新駅舎はどのような姿になるのでしょうか。
「国鉄情緒」あふれる風景は過去のものに
鳥取県米子市にある山陰本線・境線のJR米子駅では、現在リニューアル工事が行われています。新駅舎は橋上駅舎となり、駅南広場と南北自由通路が整備される予定です。2023年の供用開始に向け、工事が本格化しています。
2021年3月からの工事の本格化に伴い、米子駅の現駅舎は解体が進んでいます。10月初頭の時点で、駅ビルは1/3程度を残すのみとなっており、駅前ロータリーからホームが見える状態になっています。
現在の2代目駅舎は1963(昭和38)年に竣工。国鉄の米子鉄道管理局(現:JR西日本米子支社)の庁舎を兼ねた5階建ての重厚な鉄筋コンクリート建築で、国鉄時代の旅情を色濃く残す存在となっていました。
この駅舎とともに旅人を出迎えるのが、ホーム西(松江)側にある跨線橋に書かれた「海、山、旅のドラマは米子駅から」というメッセージです。この跨線橋も撤去が予定され、2021年10月現在では階段の入口はすでに封鎖され、通行不可能になっています。ホーム間移動の機能は、既存のホーム中ほどにある跨線橋と東(鳥取・境港)側の跨線橋が担い、ホーム中ほどにある跨線橋へは新設される南北自由通路とつながることになります。
昨年秋には、駅舎解体を前に、閉鎖されていた駅舎コンコースを一般開放。懐かしの写真や手作りの年表などが展示されました。
米子駅の2代目駅舎が解体されたことで、今年10月に解体がほぼ完了した新潟駅万代口駅舎とともに、またひとつ昭和のターミナル駅の風景に幕が下りていきます。
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新たな米子駅は先述のとおり、駅の南側から直接アクセスできるようになります。ホーム南側は車両基地や留置線が広がっているため、長らく駅入口が設置されてきませんでした。しかし、線路をまたぐ南北自由通路が整備され、駅南広場にはロータリーや駐車場、駐輪場などが新設されることになり利便性が向上します。
新駅舎はガラス張りの大窓が特徴的なモダンなデザイン。駅舎の建材には、天井面を中心に鳥取県産の木材が活用されます。ホームや駅前が見渡せる展望スペースが設けられるほか、駅施設一体となった新たな駅ビルが整備され、土産物屋などが入店する予定となっています。
また北口では駅舎正面の歩行者空間を拡大し、駅前ロータリーを回り込む現状に比べ、市街地へのアクセス向上が図られます。
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