北陸新幹線の新拠点「敦賀車両基地」 工事現場のいまを見た! 線路設置は意外と大変!?
2024年春に開業予定の北陸新幹線金沢~敦賀間。その新たな終着駅となる敦賀駅の先に新設される「敦賀車両基地」が、地元住民と報道陣に公開されました。今後、この施設はどのような役割を果たしていくのでしょうか。
日常の車両点検が行われる車庫
2024年春予定の北陸新幹線金沢~敦賀間延伸開業に向け、新たな終点側の拠点となる「敦賀車両基地(仮称)」でも工事が急ピッチで進められています。2021年11月7日(日)に地元住民や報道陣を対象にした現場見学会が行われ、内部の様子が公開されました。
敦賀車両基地は、北陸新幹線延伸後に終着駅となる敦賀駅からさらに南へ約2km進んだ場所にあります。北陸新幹線の車両基地としては長野新幹線車両センター(長野県長野市)、白山総合車両所(石川県白山市)に続く3か所目となります。
敦賀車両基地の役割は、夜間の滞泊や折り返し列車の待機などのほか、車両の検査も受け持っています。鉄道車両に行われる主な4つの検査(仕業検査、交番検査、台車検査、全般検査)のうち、敦賀車両基地では仕業検査を担当し、残りの検査は白山総合車両所が担当します。仕業検査とは、2日に1回の頻度で台車や足回り、ブレーキを中心に行う日常の検査のことです。
敦賀車両基地は、白山総合車両所と同じく冬に降雪が多い地域に位置するため、屋根で覆われた車庫となっています。新幹線の収容数は10編成。うち仕業検査を行うための「仕業検査庫」が3編成分、折返しや待機を行う「着発収容庫」が7編成分あり、ふたつの車庫は壁を隔てて隣り合っています。
現場見学会が行われた時点で、敷地内では線路の敷設や、車庫などの各建築物の内部工事が進行中という状況でした。
今回公開された、車両基地の核となる「仕業検査庫」ではすでに線路が仮で敷かれており、完成が近い実感を沸かせました。残る主な作業は、内装のほか、検査に使う作業用ホームやパンタグラフ検査用の施設などの設置、そして線路敷設の仕上げの工事となっています。
工事担当者は、検査庫に線路を敷くのは、通常の営業用の線路とは違った大変さがあるといいます。というのは、台車の点検などは「下からのぞく」ため、線路下に空間を設ける必要があるからです。
2本の線路を別々のコンクリート基礎で支えるため、寸法を間違えると「左右の線路の高さが違う」という事態になってしまいます。それを防ぐため、まず仮の受け台で線路の床面からの高さを微調整してから、コンクリートを打っていくのだそうです。調整はミリ単位で行われ、現在は線路がこの仮の受け台に乗り、コンクリート打ちを待つ状態となっていました。
雑談だが、北陸新幹線敦賀車両基地とJR/京急の品川駅との緯度はほぼ全く同じなのさ。意外やろ?