工事大詰め「北陸新幹線 福井駅」に潜入 新幹線で異例の“小ぢんまり駅”に旅情アリ
2024年春に開業する北陸新幹線の金沢~敦賀間、その途中駅となる福井駅の駅舎内部が、地元住民と報道陣に公開されました。新幹線の駅としては異例のコンパクトなホーム構造と駅舎ですが、今後どのようになっていくのでしょうか。
新幹線福井駅 シンプルかつコンパクトなホーム
北陸新幹線 金沢~敦賀間の延伸開業に向け、途中駅となる福井駅では工事が急ピッチで進められています。2021年10月17日に地元住民や報道陣を対象にした現場見学会が行われ、新駅舎のホーム含む内部の様子が公開されました。
北陸新幹線の延伸区間に新設される駅は、石川県内に小松駅・加賀温泉駅、福井県内に芦原温泉駅・福井駅・越前たけふ駅・敦賀駅の計6駅です。そのなかで福井駅は現在、外構工事が完了し、電気工事を含む内装の工事の段階に入っています。
福井駅の新幹線のりばは、在来線とえちぜん鉄道に挟まれた位置にあり、限られたスペースを活用してホーム1本の両側に上下線がそれぞれ発着するという、国内の新幹線では唯一となる「島式ホーム1面2線」の非常にシンプルな構造となっています。
それはコンコースもしかりで、橋脚2本が線路方向に連なる高架下に改札内と改札外の空間が同居し、待合室やトイレ、エスカレーターやエレベーターが詰め込まれている形です。「新幹線駅構内=大きな広間」のイメージとは異なり、まさに、「新幹線に乗り降りするための施設」として作られている印象でした。
もっともそれは新幹線駅舎だけに着目したもので、直結する在来線駅構内にはレストランやショップもあり、西口には再開発事業で整備された商業施設「ハピリン」やガラス屋根の開放空間「ハピテラス」などもあります。それに加え、東口では現在、新幹線駅を拡張する形で、待合スペースや観光案内所などが入る新たな施設が9月から建設中。福井駅全体としては、「旅人を送り出し、迎え入れる」といった従来どおりのイメージの「新幹線駅」になるのかもしれません。
さて、ホームに上っていきましょう。その手段はエスカレーター2本とエレベーター2基、それと階段です。駅構内の最も金沢方面は、いったん中2階の在来線乗り換えコンコースに上がり、そこからさらに階段とエレベーターで新幹線ホームへ上がる構造になっています。
上下線で共有されるホームへの階段は、東京や富山方面へ向かう乗客、敦賀方面へ向かう乗客、両方向の人々が共通して使うことになります。これは新幹線駅の途中駅では非常に珍しいことで、他には東海道新幹線の三島駅くらいでしょうか。
改札から入ったらあとは自己責任で乗り場を探してくれという感がある日本の駅だが、いよいよどちらのに乗ったらよいのか注意深くならねばならなくなってきた。