瀬戸内の新型船「シースピカ」に次世代バイオ燃料 船の脱炭素化へ

海の使用例が広がりました!

シースピカにユーグレナ由来のバイオ燃料

 JRTT鉄道・運輸機構(独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)とユーグレナは2021年11月12日(金)広島の宇品港にて、観光型高速クルーザー「シースピカ」にユーグレナの次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を使用し試験航行(技術調査の一部公開)を実施しました。

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試験運航時の様子(画像:ユーグレナ)。

 シースピカは2020年から、しまなみ海道周辺エリアで定期運航が始まった新しい船で、JR西日本がプロデュースに携わり、瀬戸内海汽船が運航しています。今回の試験航行は、内航船舶におけるバイオ燃料の利用可能性を探るため、通常使用している燃料(軽油)の一部にバイオ燃料を加え、航行時の性能などを検証する目的です。

 JRTT鉄道・運輸機構は、円滑な航行ができたと考えているといい、「今後、内航船舶へのバイオ燃料利用の可能性が高まることが期待されます」としています。

 ユーグレナ社は、世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養を実現した後、2010年からバイオ燃料の研究を開始。2020年には、ユーグレナから抽出した油脂と使用済み食用油を原料としたバイオディーゼル燃料の供給をバス、配送車などに開始している。

 バイオ燃料は、再生可能な生物由来の有機性資源(バイオマス)を原料としており、燃焼段階では二酸化炭素(CO2)を排出するものの、原料となるバイオマスの成長過程で光合成によりCO2が吸収されるため、燃料使用による大気中のCO2増加量が化石燃料と比較して大幅に減らせる。

 サステオは廃食油とユーグレナ(和名ミドリムシ)を原料としたバイオディーゼル燃料で、通常のディーゼル燃料と同等の性能を有することが認められています。光合成によってCO2(二酸化炭素)を吸収する生物由来の原料であり、地中の鉱物資源を使用しないことから、燃料を使用した際のCO2排出量が実施的にプラスマイナスゼロに。これまでバスや船などのほかジェット燃料としても供給されており、脱炭素化へ向けた取組のひとつとされています。

【了】

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