あら不思議! 「ぽっこりお腹」が特徴の「新型旅客機」出現 異形の理由は? 英ATI

スペックはとっても普通の旅客機っぽいですが…。

脱炭素仕様の水素燃料旅客機

 イギリスATI(Aerospace Technology Institute、航空宇宙技術研究所)は2021年12月、新型旅客機コンセプト「FlyZero」を発表しました。

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ATIが発表した新型旅客機コンセプト「FlyZero」(画像:Aerospace Technology Institute)。

「FlyZero」は最大279人の乗客を乗せることができる旅客機で、航続距離は5200ノーティカルマイル(約9720km)。翼幅は54mで、ターボファンエンジンを2基搭載します。速度も現代のジェット旅客機と、ほぼ同等を見込んでいるとのこと。

 一方で、これまでの旅客機と大きく違うところは、動力です。

 この機はジェット燃料ではなく、水素を動力源とします。水素燃料は、後部胴体に備わったメインタンク(極低温燃料タンク。摂氏マイナス250度前後の燃料を格納する)と、胴体前部に2つ備わった小さな「チーク」タンクに格納されます。一方で、主翼は「ドライ翼」で、現在の旅客機のように燃料タンクを内部に備えるものではありません。そのことから、翼が薄く、胴体(とくに下部)が異様に太いルックスをしています。

 ATIによると、「水素は、灯油の3倍、電池の60倍(1kgあたり)のエネルギーを持ち、燃焼時に二酸化炭素を排出しない」とのこと。このプロジェクトはイギリス政府も出資しており、グラント・シャップス運輸相は「二酸化炭素排出量なしで人々が旅、移動を続けられる未来に一歩近づいた」とコメントしています。

【了】

【不思議な体型…】「FlyZero」をさまざまな角度からサッと見る

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