鼻先どうした!? コックピット2段構え 異形すぎる米空軍機なぜ作られた 実は発展の功労者
飛行機の鼻先、コックピットの前方に、もうひとつコックピットが張り付いたような飛行機をアメリカ空軍が使っていたことがあります。あまりに特異な形状の飛行機、なんのために作られたのでしょうか。
鼻先伸びた異形の航空機が生まれたワケ
一般的に飛行機のコックピット(操縦室)はひとつです。軍用機などでは、操縦席のさらに前方に航空士(ナビゲーター)席があるものも存在しますが、アメリカ空軍にはなんと、飛行機の鼻先すなわち機首に、もうひとつのコックピットが張り付いているという、奇妙な機体がありました。
その名は「NC-131H」。一見すると“珍機”という言葉がピッタリの機体ですが、同機はその外観とは裏腹に、ステルス戦闘機や大型輸送機、戦略爆撃機、果てはスペースシャトルの開発にまで大きく関わる重要な任務を帯びた機体でした。
そもそも、2021年の現在でこそ航空機のかなりの部分はコンピューター・シミュレーションで再現できるようになっており、それこそフライトシミュレーターでは、世界各国の様々な航空機の挙動を実機さながらに行うことが可能になっています。
しかし、今日ほどコンピューターが発達していなかった時代には、実機を飛ばすことで記録を取るしかありませんでした。とはいえ、実機を作るのには相応のコストがかかるため、無尽蔵にプロトタイプ(試作機)を作るわけにはいきません。その点、もし1機で様々な飛行試験を行える機体があれば、非常に効率化できます。航空技術者にとっては夢のような機体、それがNC-131Hだったといえるでしょう。
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