H-IIA 45号機打ち上げ成功! 発射が日を跨いだワケ 56輪の超多軸台車はニュータイプ登場せず

種子島宇宙センターにおける2021年最後のロケットが発射、打ち上げは成功に終わりました。天候にも恵まれ、夜空を切り裂く光は、打ち上げから10分以上も見えていました。

なぜ打ち上げ延期? 射点では火災も

 H-IIAロケット45号機の打ち上げが1時間ほど延期した理由、それは推進薬搭載後の1段目機体の温度や圧力データに変動が見られたことで、その確認が必要となったからです。発生したのは、打ち上げ7時間ほど前の12月22日17時ごろで、そこから一定時間、点検が行われていました。

 また、打ち上げ後には種子島宇宙センター内の射点、すなわち発射台付近で火災が見られたものの、これは周辺の草木がロケットの炎で燃えたものでした。当初はウォーターカーテン用の放水銃で散水していましたが消し止められず、最終的には待機していた消防車2台を投入して2時半頃に鎮火しました。

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打ち上げ後の射点火災と、散水するウォーターカーテン(金木利憲/東京とびもの学会撮影)。

 なお今回、筆者(金木利憲:東京とびもの学会)は、機体を組立棟から射点に運ぶドーリーという移動用車両が、従来のものを使用していた点に注目しました。56個ものタイヤで、重いロケットと発射台を丸ごと支える車両です。

前回、2021年10月26日のH-IIAロケット44号機の打ち上げでは、新型ドーリーが用いられていたため、今回のH-IIAロケット45号機も新型ドーリーに載せられて登場するのかと思っていたのですが、蓋を開けてみたら旧型ドーリーでした。

ただ、この点について聞いてみたところ、ドーリーの運用方針が、旧型から新型へ徐々に切り換えていく形を採っているからだとのこと。もともと45号機では従来のものを使用することになっていたそうです。

そのため44号機で使用した新型ドーリーに異常が起こったなどというわけではなく、計画通りに45号機は旧型を用いたとのことです。

【了】

【夜空へ伸びるH-IIAの軌跡】次回は登場するか? ロケット運搬用の新型ドーリー

Writer:

あるときは宇宙開発フリーライター、あるときは古典文学を教える大学教員。ロケット打ち上げに魅せられ、国内・海外での打ち上げ見学経験は30回に及ぶ。「液酸/液水」名義で打ち上げ見学記などの自費出版も。最近は日本の宇宙開発史の掘り起こしをしつつ、中国とインドの宇宙開発に注目している。

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