海上自衛隊練習艦「せとゆき」35年の艦歴を全う呉で退役 戦後初の御召艦という大役も
姉妹艦12隻のなかで最も長生きした艦でした。
1999年には初の日韓共同訓練にも参加
海上自衛隊の護衛艦「せとゆき」が老朽化に伴い、2021年12月24日(金)に退役しました。
「せとゆき」は、はつゆき型護衛艦の10番艦として、岡山県の三井造船玉野事業所(当時)で1985(昭和60)年7月3日に進水、1986(昭和61)年12月11日に就役、当初は佐世保に配備されました。
1999(平成11)年には海上自衛隊と韓国海軍との初の日韓共同訓練に参加、翌2000(平成12)年には、所属部隊の変更とともに定型港を呉に変更し、そこから20年以上にわたって一貫して呉基地を母港にするようになります。
2010(平成22)年6月には、和歌山県串本町の樫野埼沖にて執り行われたトルコ軍艦「エルトゥールル号」遭難120年目の洋上追悼式に参加。このとき、寬仁(ともひと)親王と彬子(あきこ)女王らも参列し、その御召艦となったことから、「せとゆき」は皇族旗を掲揚した初の自衛艦という栄誉も賜っています。
その後、2012(平成24)年3月には練習艦に種別変更され、初任幹部や幹部候補生らの実習航海に従事し続けました。
「せとゆき」は、呉基地で行われた自衛艦旗の返納行事を終えると、艦首に描かれた艦番号「3518」や艦尾に書かれていた艦名を消す作業が行われ、自衛艦としての生涯を終えました。なお、艦齢は35年におよび、その間に航行した距離は地球42周分に相当するとのことです。
また「せとゆき」の退役によって、昭和末期に12隻が造られたはつゆき型護衛艦も、全艦が姿を消すこととなりました。
【了】
※誤字を修正しました(12月25日11時20分)。
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