米国防総省「ブラックホーク」ヘリ初の無人自律飛行に成功 従来機の安全性向上が目的
パイロットの負担を減らすためのシステムだそう。
目指すは無人飛行ではなく、より安全な飛行
アメリカ国防総省傘下の国防高等研究計画局、通称「DARPA」は2022年2月8日(火)、UH-60A「ブラックホーク」ヘリコプターを用いた初の無人による自律飛行に成功したと発表しました。
初飛行は、DARPAとともに開発にあたったロッキード・マーチンとその子会社のシコルスキーの手により、2月5日にケンタッキー州フォート・キャンベルにあるアメリカ陸軍の施設において、30分間にわたって行われたとのこと。2月7日にも同様の無人飛行を実施しています。
これはDARPAが推し進める「Aircrew Labor In-Cockpit Automation System」、通称「ALIAS」プログラムに基づいて行われたテストです。このプログラムは、直訳すると「乗務員コックピット作業内オートメーション・システム」と呼ばれるもので、パイロットを含む乗員の作業負担の軽減を図るために開発された飛行制御プログラムだといいます。
ヘリコプターを無人化するのではなく、自動操縦の領域を増やすことでパイロットのワークロードを減らし、作戦遂行に集中させようというものとのことです。既存の航空機に高レベルな自動化を容易に付与できるようにすることで、パイロットを複雑な飛行制御から開放し、より一層の安全な飛行に寄与するとしています。
DARPAの戦術テクニカルオフィスのプログラムマネージャー、スチュアート・ヤング氏によると「ALIASを使用することで、陸軍はさらに運用上の柔軟性を持つことが可能になる」と述べています。
なお、DARPAは来月中にALIASプログラムの次のステップとして、バージニア州フォート・ユースティスで、フライバイワイヤを搭載したUH-60M「ブラックホーク」のAIによる無人飛行に挑むそうです。
【了】
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