「信越本線 高速化」新潟県が検討へ 過去には「新幹線乗り入れ計画」も どうなる?

「信越新幹線」計画ふたたび…!?

過去には2009年に検討委員会

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上越新幹線で使用されるE2系(恵 知仁撮影)。

 新潟県は2022年度の予算案を発表。その中で、「在来線高速化推進事業」として、JR信越本線の高速化に向けた調査や関連活動に1575万円が計上されており、2021年度の187万円から大幅アップとなっています。

 県の交通政策課は「2021年度は要望活動など雑務への支出のみでした。2022年度は、調査業務の発注などを行うため、必要な予算を計上しています」と話します。

 新潟県では2009(平成21)年に、上越新幹線と北陸新幹線に挟まれた地域の利便性を向上するため、「信越本線直行特急のあり方検討委員会」を設置。学識経験者や沿線自治体などで、「新幹線の信越本線乗り入れ」を中心とした検討が行われていました。

 この検討委員会では、フリーゲージトレインの導入もしくはミニ新幹線への改築により、柏崎市や直江津方面への高速運転の実現に向けて、「長岡駅から柏崎方面へのアプローチ線設置」「上越妙高駅から直江津方面へのアプローチ線設置」「糸魚川駅から直江津方面へのアプローチ線設置」の3案が整理されています。

 2009年に出た結論は、「ミニ新幹線化工事よりも、フリーゲージトレイン車両の導入のほうが総合的に事業費が安くなり、費用便益比も1.0を上回る」としています。ただ、「フリーゲージトレインは技術開発中であり、実用化の見込みは未定で、試算も今後変化する可能性がある」としたうえで、「九州新幹線西九州ルートへの導入の可能性といった技術的動向を見極めるべし」との考えを示していました。

 さて、それから10数年が経過。西九州新幹線でのフリーゲージトレイン導入については、2018年に与党検討委員会で「技術上、最高速度が270km/hに抑えられてしまう。導入すれば、山陽新幹線への乗り入れを断念せざるを得ない」として選択肢から実質的に除外。新鳥栖~武雄温泉についてはフル規格かミニ新幹線のどちらか、という方針が示されています。

 フリーゲージトレイン導入への壁が技術的、社会的に高くなっている現状で、ミニ新幹線への改築への転換、あるいは上越妙高~新潟を結ぶ「しらゆき」など在来線特急列車のダイヤ見直しを図るにとどまるのかなど、新潟県が改めてどのような比較検討を行い、どのような結論に至るのか、注目となります。

 交通政策課は「信越本線の高速化は昔からの課題であり、実現に向けて取り組みを進めていきたい」としています。

【了】

【過去に行われた"信越新幹線"構想】

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コメント

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6件のコメント

  1. 今時フリーゲージトレインが登場するのか。

  2. 上越新幹線、北陸新幹線の運行本数と速度ならFGT最高速度はネックにならないのでは…?割と実現可能かも

  3. 素直に改軌した方が早いような。または三線かガントレットで。

  4. 特急しらゆきはアノ本数であんな乗車率で減便すらされかねないし、そもそも旅客流動が少ない区間なのでは。ほくほく線経由では遠回りだし、ミニ新幹線にしたからと言ってほとんど速くはならないし…一時的に建設業が活性化するだけで終わってしまいそう…

  5. 写真古すぎ!
    あと、政治介入を防ぐことも、分割民営化の建前上の理由だったが、まったくそうなっていない。
    自民党はもちろん、旧政権たる民主党由来の勢力も昔の道路族議員が多かったこともあり、クルマ業界べったりだし、新幹線とセットみたいに、あちこちにむやみやたらに縮小したはずの高速道路まで出来る始末。
    高速道路も新幹線も、あれば便利には違いないが、税金で環境破壊を進め、結局膨大な債務は国民へのツケになるだけ。この構図の延々の繰り返し。もうブレーキをかける英断は望めないのだろうか?
    今が一番再考するチャンスかも知れないのである。

  6. 上越妙高〜長岡までフル規格で建設されれば、大阪延伸時にかつての新潟雷鳥復活でニーズあると思うが
    上越妙高駅と長岡駅に乗り入れ設備の考慮か設定はあるのだから、素直に短絡線の形で柏崎のみ駅を在来線併設でコスト削減。
    並行在来線はえちごときめき鉄道か北越急行のいずれかで共同運営すればいい。(貨物の通行料アテにしてもいいし)