「海のレクサス」LYみてきた! 世界にまだ4艇 ド迫力のフル塗装クルーザー 価格もぶっ飛び

船のなかに入ってみると… シャワールームいくつあるの!?

 インテリアは先進的なデザインに日本のおもてなし思想を融合した、レクサスならではの上質さを追求。イタリアのヨットデザイン会社Nuvolari Lenardとコラボし、白を基調とした明るく開放感のある室内空間に、曲線主体の意匠と独創的な照明を組み合わせました。

 サロン内には、前方に操船席とソファ、後方にギャレー(キッチン)を効率的に配置。バーベキューを焼くグリルやコーヒーメーカーも置かれており、ワインクーラーも取り付けることができます。サロン階下には、2m超の頭上空間を確保したベッドルームとしてマスターステートルーム、VIPステートルーム、ゲストステートルームを設置。それぞれに専用のシャワールームも完備されています。

「つながるクルマ」ならぬ「つながるボート」

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船内に配された「L」のロゴマーク(深水千翔撮影)。

 LY650はレクサスならではの航走を追求するため、操船性能でもこだわりを見せています。

 パワートレーンは船体下部に個々に操縦可能なポッドを備えたVolvo Penta IPSシステムを2基搭載。流体解析技術を駆使した独自の船底形状との融合により、高出力と低燃費の両立に加え、航走安定性と操縦性にも優れるといいます。速力は35ノット(約65km/h)まで出すことができます。

 操舵席にはタッチ操作が可能なインストルメントパネルを採用。ハンドルやシートもレクサスブランドのデザインを取り入れています。また、低速時や離着岸時にはジョイスティックでの操船も行えるうえ、定点保持やオートフラップなども装備しています。

 船底とブリッジ上部にはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を採用し、軽量かつ高剛性な構造と、高い航走性能、快適な乗り心地を実現しているそうです。主要な壁には防音性に優れたサンドイッチパネルを使用し、静粛性を確保しています。

 また、スマートフォンとの連携も特徴のひとつです。スマホでエアコンやライトを遠隔操作したり、船の状態をモニタリングし異常が起きた際はメールで告知したりするボートコネクティッド技術「LY-Link」も搭載しました。

※ ※ ※

 現在、LY650は今回公開されたのを含めて世界に4艇存在します。価格は4.5億円からとのことですが、実際に展示された艇の価格は6億円以上。生産は米Marquis Yachtsが行うことになっています。コロナ禍もあって生産を停止しているものの、企業オーナーを中心に興味を持っている人がいるとのことです。トヨタは北米市場を中心になるべく数多く販売したい考えを示しています。

【了】

【もう、住みたい!!】レクサスLYの内部 写真で見る

Writer: 深水千翔(海事ライター)

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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