100円稼ぐのに2.5万円 JR西 赤字30線区の現状 鉄道以外の方が「環境にいい」

初めての開示です。

JR西日本 ローカル線の収支状況を公表

 JR西日本は2022年4月11日(月)、「ローカル線に関する課題認識と情報開示について」と題し、管内のローカル線30線区の収支状況を発表しました。

Large 220411 local 01
備後落合駅(乗りものニュース編集部撮影)。

 今回は輸送密度(1日あたりの平均通過人員)が2000人未満の線区について取りまとめられました。その中には小浜線(小浜~東舞鶴)や小野田線(小野田~居能など)といった電化路線も含まれています。

 100円の営業収入を得るのに、どれだけの営業費用を要するかを表す「営業係数」が最も高かったのは、芸備線の東城~備後落合間で、2018年から2020年の3年平均の指数では「2万6906」と突出していました。次いで木次線の出雲横田~備後落合間で8119。いずれも中国山地の路線です。

 沿線の人口減少などによる利用率の推移も浮き彫りになりました。JR発足時の1987年から2019年を比較して、平均通過人員が2000人以上から2000人以下に減少したのは30線区中12線区。うち最も高かった山陰線の城崎温泉~浜坂間は、4966人から693人まで減少しました。

 JR西日本は今回、地域と「より具体的な議論」をすべく、経営状況を開示したといいます。「鉄道は自動車に比べてきめ細かな移動ニーズにお応えできないこともあり、線区によっては地域のお役に立てておらず、厳しいご利用状況」であるほか、「大量輸送という観点で鉄道の特性が十分に発揮できていない」「CO2排出の面でも、現状のご利用実態では必ずしも鉄道の優位性を発揮できていない」などとしています。

 同社は今後、「地域公共交通計画」の策定などの機会に積極的に参画し、「鉄道の上下分離等を含めた地域旅客運送サービスの確保に関する議論や検討を幅広く行いたい」と考えているそうです。

【了】

【幹線も危うい】JR西日本ローカル線の実態 画像で見る

最新記事

コメント

Leave a Reply to 匿名 Cancel reply

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

2件のコメント

  1. もうこれは仕方ないかなと思う
    利用者が減少していってるということは
    地域からも、必要無いと判断されてるわけですよね

  2. ここまでひどいと『鉄道廃止→バス転換』選んでも『数年以内に廃止』が目に見えている。
    最初から『マイカー転換』が出来るシステムを考えるのがベストなのかも。