芸備線はなぜ“天文学的な赤字”路線になったか 鉄道が役割果たしていない現状

お話にならないほど鉄道よりバスが優勢

 芸備線のなかでも経営が厳しい区間を抱える広島県庄原市は、旧・庄原市と西城町、東城町を含む1市5町の新設合併で、2005(平成17)年に現在の市域となりました。鉄道の需要は、旧・西城町、東城町から学校や病院が集積する庄原への移動、そして地域の中心部である三次市、そこから広島行きの快速「みよしライナー」などへの乗り継ぎに支えられてきました。

 この区間でライバルとなっているのが、1986(昭和61)年に開業した広島行きの高速バス(東城駅前~広島バスセンター。備北交通/広電バス共同運行)です。このバスは東城~庄原間の区間利用が可能。鉄道は山を回り込むことで北側に大きく迂回していますが、バスは中国道を経由して山を越えるため、移動距離のショートカットが可能なのです。

 芸備線は東城~備後庄原間の通学定期が高速バスより2割ほど安いものの、運転本数が1日3~5往復と極端に少ない状況。なおかつ、列車が走る路盤の状態が不完全なことから15~25km/hの速度制限がかかる区間が続くこともあり、50kmの距離を1時間40分ほどかけて運行します。東城から午前中に列車で庄原へ向かう場合、東城駅を朝5時46分に発車する必要があります。

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東城駅。広島市内や庄原市街地行きのバスが発着する(宮武和多哉撮影)。

 かたやこの区間で、高速バスの所要時間は30分少々。平日朝には東城駅前~庄原駅間の区間便(車両は日野リエッセ)もあり、東城の市街地にある「東城小学校前」バス停から庄原方面への利用も多く見られます。広島市内直通便も1日4便運行され、かつて急行「みよし」が担っていた広島市内への長距離移動をバスが担っています。

 このほか東城~庄原駅間では、鉄道と並行して備北交通や西城交通のバス路線が道後山駅・小奴可駅などをカバーしており、いずれも数名の利用が見られます。しかし、「高速広島線」も2017(平成29)年には東城発着便が一挙に半減し、福山方面へ直通していた路線バスも同時期に大幅に整理されるなど、全体的に減便傾向にあるのが気がかりなところです。

【芸備線の「天文学的赤字」区間 地図と現状 画像で見る】

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コメント

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8件のコメント

  1. ありがとうございます。遅い、高い、ポンコツ車しかないこんな路線はもういらないしょっ‼︎今後はバスはとにかくとして、早い、便利、新車も注目されて環境にとても良い(ハイブリッドカーや電気屋自動車などで)マイカーが主流になりますね。

  2. 何が天文学的赤字なのか?
    バス転換を煽るための誇張に思える。
    誤解を生まないためにも適切な表現を使って欲しい。

    • ほかの路線と比べてみると、ほかの何百倍もでかい
      2万にいっていること自体がおかしい

  3. 100円稼ぐのに25000円掛かるのか。
    1日25000円赤字ですらない。
    でも無くなると困る人がいるからね。
    仕方ないね。

  4. 記事の内容ではなく、記事内の言葉の使い方からお話にならないレベル

    天文学的数字とは兆からの数字で百歩譲っても億まで。万の話を天文学に例えるとは片腹痛い。
    天文学に謝れ!

  5. キモヲタがどんなに発狂しても芸備線廃止待ったなし!!

  6. 「天文学的」という言葉はともかく、記事の内容については同意です。
    地域住民の交通手段としては、もはや鉄道よりバスの方が便利といえる状況なんですね。そして、そのバスさえ減便となるような厳しい状況であると。

    地域住民が本心から鉄道を必要としているのか、ここで再確認するべきでしょう。

  7. 地方鉄道の在り方。地方行政の在り方。ひいては少子高齢化・地域過疎化の日本の国としての在り方、病理。