芸備線はなぜ“天文学的な赤字”路線になったか 鉄道が役割果たしていない現状
前後の区間も需要縮小 しかしバスも?
鉄道からバスに需要がほぼ完全に移っている旧・東城町と違い、旧・西城町では庄原・三次への通学手段として鉄道が使われています。この地域は国道のバイパスとなる江府三次道路がまだほとんど開通しておらず、かつ駅が住宅街と近接しているため、鉄道が高校生の通学手段とされてきました。
筆者(宮武和多哉:旅行・乗り物ライター)は、毎年1、2回はこの地域に足を運んでいますが、少なくとも2010年以前は、備後落合駅からも数人が乗車し、備後西城で一気に満員になるほどでした。ただ、その学生も年々少なくなっているのを感じます。
また岡山との県境にあたる東城~備中神代(~新見)間も、営業係数4129、収支率2.4%と厳しい状況にあります。この区間は県境を挟んだ双方向の通学需要がありましたが、それもしぼんでいるようです。2018年の豪雨災害による長期運休・バス代行の際は、新見~東城が1日2往復と、列車本数の3分の1に削減されています。代行バス運行当時、乗客がいたこと自体にバスの運転手さんが驚いているほどでした。
芸備線沿線の各自治体は、これまでも盛んに利用促進のキャンペーンを行っていますが、その多くは、たとえば木次線の観光列車「奥出雲おろち号」接続便の増便など、観光客の呼び込みに重点を置いています。通学・通院・買い物などの生活利用が進まなかったことや、徐行を余儀なくされる鉄道の改善が後回しになったことが、鉄道路線としての低迷を招い側面もあるでしょう。
一方で、高速バスも前出の通り便数が大幅に削減されるなど、鉄道と同様にコロナ前から苦境が続いています。人口の減少は他地域も同様ですが、そのなかで、学生は最低限でも隣町に通学でき、高齢者は総合病院への通院ができる環境の維持は必須です。
JR西日本は今回の資料公表で「地域の交通のあり方の見直し」を提唱していますが、芸備線はすでに山間部で、その役割を路線バス・高速バスに明け渡しつつあるのです。仮に鉄道からバスへバトンが渡された際は、これまでの鉄道に対しての支援をバス事業者にも同様に行い、庄原市ですでに4割を超えている高齢者の利用につながるよう、まさに「あり方を見直す」ことが求められているのではないでしょうか。
【了】
Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)
香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。
ありがとうございます。遅い、高い、ポンコツ車しかないこんな路線はもういらないしょっ‼︎今後はバスはとにかくとして、早い、便利、新車も注目されて環境にとても良い(ハイブリッドカーや電気屋自動車などで)マイカーが主流になりますね。
何が天文学的赤字なのか?
バス転換を煽るための誇張に思える。
誤解を生まないためにも適切な表現を使って欲しい。
ほかの路線と比べてみると、ほかの何百倍もでかい
2万にいっていること自体がおかしい
100円稼ぐのに25000円掛かるのか。
1日25000円赤字ですらない。
でも無くなると困る人がいるからね。
仕方ないね。
記事の内容ではなく、記事内の言葉の使い方からお話にならないレベル
天文学的数字とは兆からの数字で百歩譲っても億まで。万の話を天文学に例えるとは片腹痛い。
天文学に謝れ!
キモヲタがどんなに発狂しても芸備線廃止待ったなし!!
「天文学的」という言葉はともかく、記事の内容については同意です。
地域住民の交通手段としては、もはや鉄道よりバスの方が便利といえる状況なんですね。そして、そのバスさえ減便となるような厳しい状況であると。
地域住民が本心から鉄道を必要としているのか、ここで再確認するべきでしょう。
地方鉄道の在り方。地方行政の在り方。ひいては少子高齢化・地域過疎化の日本の国としての在り方、病理。