モビルスーツにアタマ必要? 宇宙戦艦に艦橋なぜある? 『ガンダム』宇宙で「上下」あるワケ

インフラに対応するためには「上下」ある方がグッド

 考えてみると、ガンダムの世界では、宇宙艦艇であれ、モビルスーツであれ「上下」のある場所に侵入する機会が少なくありません。たとえば月面都市や宇宙要塞です。

 月面都市に降下した宇宙艦艇や、ルナツー(宇宙要塞)に停泊する地球連邦軍の艦艇は、同じ方向を上として停泊していました。つまり「インフラにも上下がある」ということです。

 これはつまり、宇宙艦艇が「着陸できる面」を設計上で想定しているということなのでしょう。恐らくは「この宙域では、どの方向を上とする」という航空法のような決まり事があるのだと推察されます。「月面に近いから、万が一、機関がやられたさいに不時着するのに有利なので、月面側を下とする」とか「スペースコロニーの近くでは、宇宙港に入港しやすいように、宇宙港の上と艦艇の上を揃える」といった具合です。

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人型兵器は上下逆で戦闘はしない!? (イラスト:亜浪)

 スペースコロニーについても、劇場アニメ『逆襲のシャア』で描写されているとおり「居住部分であるシリンダー部分は回転しますが、宇宙港部分は回転しない」ので、上下があります。

 このように宇宙艦艇が補給を受けられる根拠地側に「上下」があるため、そこを出港した船も同じ方向を向きます。揃えた方が入港などで有利なので、地球連邦でもジオンでも、船乗りは「その空域における上下の基準」を徹底するのでしょう。

 モビルスーツも、向きが揃った艦艇から発進するので、パイロットがわざわざ上下逆に向け直さない限りは「艦艇の上と同じ向き」を上として発進することになります。これを逆にすると、戦闘を終えて帰還したときに、自分が着艦しにくくなるだけですから、よほどのへそ曲がりでない限りは、自然に特定の向きを「上」にしているのだと思われます。

 劇場アニメ『逆襲のシャア』では、「モビルスーツはアクシズの北上で交戦中」という台詞があります。何を「北」としているのかは不明ですが、地球の北半球の向きなど、何らかの方向基準が存在しているのではないかと思われます。

【宇宙、大気圏内、水中まで】三次元に動くのに上下の概念がある乗りものたち

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コメント

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11件のコメント

  1. ネェル・アーガマには、表裏両面のカタパルトがあるので、上下逆さまに発進するMSがあるのでは?

  2. おもしろい解釈でした。
    それで思ったのが、座標軸を無視して戦場に切り込む特殊作戦部隊があってもいいですね。

  3. 宇宙空間はともかく、月面やコロニー、大気圏内は重力があるから上下は必要ですよね。

  4. 初代ガンダムではマゼラン艦の下面に立って待機している様子もありますね。
    飛び立ったら反転しているのかもしれないですね。

  5. Vガンダムのリシテア級巡洋艦、アマルテア級戦艦は上下対称ですし、スクイード級戦艦は上下左右対称なので、必ずしも「上下対称な宇宙艦艇が出てくることもない」ということは無いと思います。

    • 先ほどの投稿、リシテア級ではなくカリスト級巡洋艦の間違いでした。

  6. 実際にはモビルスーツや戦艦が
    上下逆に出会うことは当然起こる。
    しかしアニメーションでそれをいちいち表現していたのでは見ている方が混乱してしまうので、上下揃って登場したとしても、それは視聴者のことを考えた上でのこと。
    そこは想像でよろしく。
    それと、モビルスーツや戦艦の
    戦闘シーンで宇宙空間では爆発音や衝撃音は聞こえないし感じないかもしれないが、自機の爆発音、衝撃音は当事者なら聞こえるし
    感じる。制作側はその音を表現
    している。視聴者はその音を聞いている。
    と思えば。そこも想像でよろしく。
    アニメは皆さんのご協力によって
    成り立っております。

  7. IGLOO見たこと無いのかな?
    逆さまでも射撃してるよ?

  8. リアルに近づける取り組みは見られますが
    まだまだ一部です。皆様のご協力を。

  9. アニメの宇宙戦艦に艦橋があるのは、もちろん絵柄的な理由だと思います。アニメ世界の「上下」は、一義的には画面の見栄えで決まるのでしょうが、そこを敢えて技術的に考察するのが面白いところかも。アメリカの実際の宇宙船も、ジェミニ時代は宇宙飛行士の要求もあって航空機に似せましたが、更に進化したアポロでは航空機を離れた独自の設計になり、無重力の中で船内の壁をすべて利用しました。
     いっぽう戦闘時の利便性から、便宜上の上下を決めるのは、大いに有りうる話ですね。オーソン・スコット・カードの名作SF「エンダーのゲーム」では、「敵の陣地の方向が下」ですね。
     実世界でも、北極圏の飛行ではめまぐるしく磁気方位が変わって航法が大変なため、北極圏全体を碁盤目(グリッド)に区切り、経度ゼロの線から北極を見た方向を人為的な「グリッドノース」と決めて、特殊なジャイロコンパスに表示させていました。GPS時代は電子航空図が使えるので、こんなことはしていないかも知れませんが…。

  10. ガンダムのビデオゲームのうち、チーム対戦アクション
    「連邦 vs. ジオン」「エゥーゴ vs. ティターンズ」
    ではいくつか登場する戦場に宇宙空間ステージがありました。上下逆さまはザラで、距離感がつかなくて大変だった。
    以降の vs シリーズでは実装されなくなったのは少し残念。