モビルスーツにアタマ必要? 宇宙戦艦に艦橋なぜある? 『ガンダム』宇宙で「上下」あるワケ
戦闘も向き揃えた方が統制しやすい
なお、戦闘指揮をとるうえでも「上下」が揃っていた方が、指揮官が把握しやすいといった利点もあると考えられます。ガンダムの宇宙艦艇は「上」に武装が多く配備されているスタイルが多く、またミノフスキー粒子によって有視界戦闘を強いられるため、「自分だけ上下逆」だと「艦橋から敵味方を視認しにくくなるだけ」ということにもなるでしょう。
モビルスーツも、向きが上下逆の味方がいると、指揮官が状況把握しにくくなるのは同じでしょうし、白兵戦が可能な距離になったさいには戦いにくそうであることから「その宙域における上下の基準」を無視して、上下逆になるのは認められていないのだと思われます。
実際には、描かれていない裏側で「あのゲルググはなんで上下逆に飛んでいるんだ!」「すみません!あいつは学徒動員の新兵なんで、まだわかっていないんです」みたいなやりとりが行われているのかもしれません。
つまり「宇宙の上下」は、劇中でわざわざ言及しないほどに「宇宙世紀世界の常識」なのだと思われます。考えてみれば、交通量が多いスペースコロニーの宇宙港付近で、自分の船だけ逆向きだと、他の宇宙船の確認が遅れて、衝突するかもしれませんし、上下を徹底した方が、事故が減りそうです。
レーダーを無効化して、センサーを狂わせるミノフスキー粒子が存在する限り、オートパイロットに任せることにも不安がある世界のため、このようになっているのだと思われます。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
ネェル・アーガマには、表裏両面のカタパルトがあるので、上下逆さまに発進するMSがあるのでは?
おもしろい解釈でした。
それで思ったのが、座標軸を無視して戦場に切り込む特殊作戦部隊があってもいいですね。
宇宙空間はともかく、月面やコロニー、大気圏内は重力があるから上下は必要ですよね。
初代ガンダムではマゼラン艦の下面に立って待機している様子もありますね。
飛び立ったら反転しているのかもしれないですね。
Vガンダムのリシテア級巡洋艦、アマルテア級戦艦は上下対称ですし、スクイード級戦艦は上下左右対称なので、必ずしも「上下対称な宇宙艦艇が出てくることもない」ということは無いと思います。
先ほどの投稿、リシテア級ではなくカリスト級巡洋艦の間違いでした。
実際にはモビルスーツや戦艦が
上下逆に出会うことは当然起こる。
しかしアニメーションでそれをいちいち表現していたのでは見ている方が混乱してしまうので、上下揃って登場したとしても、それは視聴者のことを考えた上でのこと。
そこは想像でよろしく。
それと、モビルスーツや戦艦の
戦闘シーンで宇宙空間では爆発音や衝撃音は聞こえないし感じないかもしれないが、自機の爆発音、衝撃音は当事者なら聞こえるし
感じる。制作側はその音を表現
している。視聴者はその音を聞いている。
と思えば。そこも想像でよろしく。
アニメは皆さんのご協力によって
成り立っております。
IGLOO見たこと無いのかな?
逆さまでも射撃してるよ?
リアルに近づける取り組みは見られますが
まだまだ一部です。皆様のご協力を。
アニメの宇宙戦艦に艦橋があるのは、もちろん絵柄的な理由だと思います。アニメ世界の「上下」は、一義的には画面の見栄えで決まるのでしょうが、そこを敢えて技術的に考察するのが面白いところかも。アメリカの実際の宇宙船も、ジェミニ時代は宇宙飛行士の要求もあって航空機に似せましたが、更に進化したアポロでは航空機を離れた独自の設計になり、無重力の中で船内の壁をすべて利用しました。
いっぽう戦闘時の利便性から、便宜上の上下を決めるのは、大いに有りうる話ですね。オーソン・スコット・カードの名作SF「エンダーのゲーム」では、「敵の陣地の方向が下」ですね。
実世界でも、北極圏の飛行ではめまぐるしく磁気方位が変わって航法が大変なため、北極圏全体を碁盤目(グリッド)に区切り、経度ゼロの線から北極を見た方向を人為的な「グリッドノース」と決めて、特殊なジャイロコンパスに表示させていました。GPS時代は電子航空図が使えるので、こんなことはしていないかも知れませんが…。
ガンダムのビデオゲームのうち、チーム対戦アクション
「連邦 vs. ジオン」「エゥーゴ vs. ティターンズ」
ではいくつか登場する戦場に宇宙空間ステージがありました。上下逆さまはザラで、距離感がつかなくて大変だった。
以降の vs シリーズでは実装されなくなったのは少し残念。