「敵基地攻撃能力」のハードルが異様に高いワケ 対レーダーミサイルも必須だけど…?

「対艦」「対地」などミサイルにもいろいろあるなか、「対レーダー」というカテゴリのものがあります。日本の「敵基地攻撃(反撃)能力」議論に欠かせないものですが、導入すればあとは大丈夫、というものではなさそうです。

将来日本が持つかもしれないミサイル 「AARGM」とは

 これらの要素のうち、現在、日本が独力で保有を進めているのは、ふたつ目(F-35A/Bの配備)と3つ目(長射程巡航ミサイルや島しょ防衛用高速滑空弾の開発、配備)、そして4つ目(情報収集衛星や無人偵察機の配備)の要素ですが、残るひとつ目の要素、つまり敵防空網の妨害や破壊に関しては、極めて限定的な能力を有しているのみです。そこで、もし敵基地攻撃能力の保有を目指すとすれば、この要素を満たすための兵器の導入が必要となります。

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2021年8月に実施されたAARGM-ERの発射試験の様子(画像:ノースロップ・グラマン)。

 その候補のひとつが現在、開発の進められている対レーダーミサイル、「AGM-88G(AARGM-ER)」です。アメリカのノースロップ・グラマン社が開発しているこのAARGM-ERは、アメリカ海軍および空軍で運用されている「AGM-88E(AARGM)」のロケットモーターや構造を変更し、その射程を大幅に向上させたものです。さらには敵の防空レーダーが放出する電波を捕捉し、その発信源に向かって飛翔、これを破壊することができます。

 また、仮に敵が電波の発信を途中で止めた場合でも、搭載する慣性航法装置(INS)とGPSにより電波が発信されていた場所まで飛翔し、さらに搭載するミリ波レーダーによって自力で目標を探知することが可能であるため、敵にとっては非常に厄介な代物です。

 AARGM-ERは2021年8月にF/A-18F戦闘攻撃機からの初の実射試験に成功しており、2023年には、部隊での運用が可能となることを指す初期作戦能力(IOC)を獲得する見込みです。またAARGM-ERは、航空自衛隊で運用されているF-35Aや今後、配備が開始されるF-35Bによる運用が可能になるとされているため、自衛隊への配備も難しくはないでしょう。

【写真】典型的というか どノーマルというか…見た目はほぼ特徴のない「AARGM-ER」

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