「積んどくモデラー」の楽しみ方 プラモ買っても作らない派がグッとくるポイントとは

エッチングパーツで再現されているのは?

 エッチングパーツの「エッチング」とは、金属の腐食性を利用して、必要なところ以外を除去する加工技術のこと。非常に細かな成型ができるので、プリント基板などにも使われている技術です。一方、プラモデルはインジェクション成型といって、金属でつくった型に溶かしたプラスティックを圧力で流し込んでパーツを作ります。インジェクション成型でも細かなパーツは作れるのですが、1/350スケールの艦船の手すりなど、繊細すぎる箇所には樹脂が流れません。仮に成型できたとしても、薄くて細いパーツは素材の性質上、折れやすくなってしまいます。それが、プラモデルの弱点です。

 そんなわけで、各メーカーはエッチング加工された金属板でインジェクション成型では不可能な細密なパーツを作って、徹底的に細かく作りこみたいマニアのニーズに応えているわけです。この“宗谷 第二次南極観測隊 スーパーディテール”の場合、手すり、はしご、救助網、搭載されるヘリコプターのローターなどが極薄のエッチングパーツとして付属します。

 では、エッチングパーツを使わないと宗谷は完成しないのかというと、そんなことはありません。プラ製のパーツをプラモデル用接着剤で組み立てていくだけで、宗谷の歩んできた壮大な歴史を指先で実感できます。

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“宗谷 第二次南極観測隊 スーパーディテール”に付属するエッチングパーツ。ほとんどは手すりなど本体に使うパーツだが、よく見ると乗組員や犬猫のシルエットも(画像:ハセガワ)。

 むしろ、細かなエッチングパーツを切り抜いて折り曲げて、瞬間接着剤で取りつけていくのは、いくら細密なディテール再現ができるといっても、無駄な手間と感じるユーザーも多いことでしょう。しかし、エッチングパーツでないと不可能ではないかと思わせる魅力が、この“宗谷 第二次南極観測隊 スーパーディテール”にはあるのです。

【完成度高い!】ハセガワ製1/1350「宗谷」

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