戦車として“最高クラス”欧州の「レオパルト2」非採用国に最新改修型が登場! その性能は?
イタリア陸軍は2025年7月18日、「アリエテ」主力戦車の改修型である「アリエテC2」を受領したと発表しました。
「アリエテ」主力戦車の改修型が登場
イタリア陸軍は2025年7月18日、「アリエテ」主力戦車の改修型である「アリエテC2」を受領したと発表しました。

アリエテC2は、イタリア陸軍が現在の運用要件に対応するため、戦車や装甲車などの装軌式車両の刷新を進める広範な取り組みの一環です。本戦車は運用寿命の延長を目的とした近代化により、機動力、火力、指揮統制システムの強化が図られています。
また、エンジンも強化されており、電子制御式コモンレール噴射システムが採用され、過給機も更新されました。出力は従来比で約20%向上し、1500馬力に達しています。低回転域でのトルクが大幅に増加したことで、回転・発進・再加速といった戦車特有の機動において、最高クラスの性能を発揮するとされています。
なお、ドローン対策については明言がなかったものの、ロシアによるウクライナ侵攻後の戦訓を鑑み、なにかしらの防御策が施されるとみられています。
陸軍参謀総長カルミネ・マシエッロ中将は、チェッキニョーラ陸軍基地で行われた1号車の受領式典において「アリエテC2戦車の引き渡しは、陸軍と防衛産業との間の革新と協力の象徴であり、単なる技術的成果ではなく、未来の複雑な課題に共に立ち向かうという、共有された取り組みの証でもあります」と述べました。
今後、イタリア陸軍では合計90両のアリエテをアリエテC2へと近代化する方針で、2035年前後までの運用継続が想定されています。さらに、アリエテC2とは別にドイツの防衛企業ラインメタルと共同で、KF51「パンサー」ベースの新型戦車も開発中であり、将来的には同戦車とアリエテC2を並行運用する体制へと移行していくと見られます。
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