見た目同じでも全然違う? ATR新型旅客機案「EVO」 CEOが語る“80年代デザイン踏襲”の狙い

ATRが発表した新型リージョナルターボプロップ機計画である「EVO」。名前も刷新され、新エンジンなどを搭載するも、その見た目は同社の現行機とほぼ同じです。同社のCEOらによると、これには明確な狙いがあるといいます。

「EVO」に刷新もデザインほぼそのままの理由

 ステファノ・ボルトリCEOらATRの来日メンバーによると「使用する素材を含め、エアフレーム(胴体や翼の根本的な設計)を大きく変えることは考えていない」と話します。新型機ではあるものの、極力「ATR42/72」のデザインを流用するということなります。

 続いてATR側は次のように説明を続けます。「ATRはテクノロジーをより安価に提供することに主眼に置いている。航空券の価格が現在と変わらないということが重要だ」。

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HACのATR42-600(乗りものニュース編集部撮影)。

 つまり、エンジンや内装など変更すべきところは変更しつつも、極力従来機のベースデザインを引き継ぐことで、まったくの新開発よりもコストを抑制。その結果、航空会社にとっても、「EVO」はコストパフォーマンスよく、安価に導入できつつも、メンテナンスコストも抑えられる機体に。それが最終的には、旅客の航空券価格にも反映されるということなのかもしれません。

「EVO」は今後、航空会社、エンジンメーカー、システムプロバイダーと連携を図り、2023年までに本計画を開始することを目指すとしています。

【了】

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