日本生まれの巡視船「メルチョラ・アキノ」フィリピンで就役 ヘリや無人艇も運用OK
設計のベースは海保のくにがみ型巡視船。
円借款事業で建造・供与されたフィリピン最大の巡視船
フィリピン沿岸警備隊は2022年6月12日(日)、首都マニラの港湾南地区において最新巡視船「メルチョラ・アキノ」の就役式典を実施しました。
「メルチョラ・アキノ」は、日本政府による円借款事業「フィリピン沿岸警備隊海上安全対応能力強化事業(フェーズII)」によって供与された多目的対応船(Multi-Role Response Vessel:MRRV)です。なお、同型船の「テレサ・マグバヌア」もフィリピン沿岸警備隊に引き渡されており、こちらは5月6日に就役しています。
全長は約96.6m、総トン数は約2260トンと、同国沿岸警備隊に配備された船艇のなかでは史上最大を誇り、最大速力は24ノット(約44.45km/h)、4000海里(約7400km)以上の航続距離を有するほか、排他的経済水域(EEZ)を監視する能力を持つ通信設備や、ヘリコプターの発着艦設備、遠隔操作型の無人潜水艇、高速作業艇など、海洋状況の把握と海事法の執行活動に必要な装置や機器を装備しているといいます。
建造は三菱重工の下関造船所江浦工場が担当。設計には海上保安庁のくにがみ型巡視船がベースとして用いられており、2021年11月18日に進水し、各種艤装や試験ののちフィリピンへ向け回航され、このたび就役となりました。
なお、「メルチョラ・アキノ」の就役式典にはフィリピンのドゥテルテ大統領も参列。フィリピン最新最大の巡視船が2隻揃ったことを祝福するとともに、同国沿岸警備隊がフィリピンの主権維持に役立っていると訓示しました。
【了】
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