ビュウウウン ガタンゴタン ルルルルル ポロンポロン…駅の音なぜ文字化? 「エキマトペ」の思い
アドリブも文字化? エキマトペへの思い
富士通の担当者によると、前出の通りエキマトペにはAIの学習モデルをつくっており、上野駅にて事前に収集した音にラベル付けを行ったといいます。
「まず、『まもなく1番線に各駅停車~』と流れてきたら、アナウンスと同様の文字と手話をディスプレーに流す、ホームドアの開く音が流れてきたら、「ポロンポロン」と表示する、というように、特定のアナウンスや音に応じて表示する文字や手話の内容をAIに学習させています。そしてエキマトペの筐体にはマイクが設置されていますので、そこでリアルタイムに音を集音し、AIが音を識別、事前に学習させていた通りにディスプレイへ表示させる流れとなっています」(富士通)
なお、1・2番線でホームドアの開く音などに差異があるのか、という問いには、「1・2番線ホームに関しては、どの車両がきても音は一緒です」ということでした。
ただ、もうひとパターンあって、その場で車掌などがマイクで話した内容を富士通の「FUJITSU Software LiveTalk」がテキスト変換し、さらにDNP(大日本印刷)の「DNP感情表現フォントシステム」を通じて、文章の内容に適した感情豊かなフォントで表現するケースもあるそうです。
最後に、ホームに行った際に“このエキマトペは観ておいた方がいい”というものを紹介してもらいました。
「どれもぜひ観て頂きたいのですが、ひとつは、上野駅での実証実験ということもあり、オノマトペと一緒に表示される手書きアニメーションにはパンダが登場します。あともうひとつは、各番線アナウンスとともに表示される手話動画です。これは事前に撮影したものを流しておりますが、実際に上野駅で働いているJRの駅員さんに手話をしていただきました」(富士通)
富士通の担当者はエキマトペの設置目的について、「ろう者にとって安全安心な鉄道利用環境になることはもちろんですが、健常者の方がエキマトペを見たときに、考え方や行動が変わることを期待しているところもあります」と話します。そのひとつとして「今回のように、駅員さんが手話を覚えてくれることなども、行動の変化の一つだと思っています」ということでした。
エキマトペの実証実験は12月まで実施。JR上野駅を利用する際には是非チェックしてみてください。
【了】
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