日本の「極超音速エンジン」開発へ一歩「スクラムジェット燃焼」 40年越し大実験の意義

JAXAが鹿児島県から打ち上げたスクラムジェット燃焼試験用のロケット「S-520-RD1」。今回の試験は、関係者にとって40年越しの悲願になったそう。その理由と、今回の試験が抱えていた2つの大きな意味を探ります。

40年越しのロケット打ち上げ成功

 なお、飛行後に行われた会見では、ロケットの飛翔は成功、スクラムジェット燃焼はデータが取れている、というところまでの発表でした。詳しい解析には時間がかかるため、正確さを重んじる科学実験ではすぐに確定結果が発表されないことが普通です。

 実験がうまくいけば、日本では始めて、大気中でのスクラムジェット燃焼が成功したことになります。研究開始から約40年、やっと風洞から外に出ることになったのです。谷さんはこのことについて問われると、「40年というのは長かったなと言うのが正直な感想。私が就職した頃からずっとスクラムジェットの研究をやっていた。今回はエンジンとまでは言えないが、超音速の燃焼を飛行しながら達成したことは大変嬉しく思っている。今回のことで飛ばすための技術を磨くことができたのは、将来の飛行試験に大きく繋がっていくだろうと考えている」と述べていました。

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実験後の会見では、マイクを使ってロケットの動きを説明する一幕も(写真:東京とびもの学会)。

 今回の実験は、防衛装備庁の委託研究制度である安全保障技術研究推進制度へ2017(平成29)年度に採択された「極超音速飛行に向けた、流体・燃焼の基盤的研究」という研究課題の費用が用いられています。防衛装備庁は同制度に関して次のように公式ウェブサイトで明示しています。

「本制度の運営においては、

・受託者による研究成果の公表を制限することはありません。

・特定秘密を始めとする秘密を受託者に提供することはありません。

・研究成果を特定秘密を始めとする秘密に指定することはありません。

・プログラムオフィサーが研究内容に介入することはありません。」

 このため研究成果は論文などで公表されます。課題名にも「基盤的研究」とあるように、基礎技術の開発です。

【距離5mの至近から】小型といってもデカい「S-520」ロケットを前から左右から

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