JALも発注「ボーイングの超音速旅客機」なぜ挫折? 「コンコルド」超えの高スペックとは

アメリカでは、これまで実用化された超音速旅客機はありませんが、実は、かのボーイング社がこれを作ろうとしていました。この機体はどのような飛行機で、なぜとん挫したのでしょうか。

「ボーイング2707」どう誕生?スペックは

「コンコルド」が開発されるという情報を入手したアメリカでは1963年、当時のケネディ大統領政権下で、開発費の75%を政府が負担する国家プロジェクトとして、「ナショナル・スーパーソニック・トランスポート計画」、つまり国家全体で「コンコルド」を上回る品質のSST(超音速旅客機)を開発する計画が始動しました。同国が一丸となって新型旅客機を開発しようというのは珍しいことで、その本気ぶりがうかがえます。

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フランス・トゥールーズに展示されている「コンコルド」(松 稔生撮影)。

 中心となったのはFAA(アメリカ連邦航空局)。航空先進国のメンツをかけて、ボーイング社、ロッキード社、ノース・アメリカン社に機体の計画案を発注したのです。

 1952年からSSTの構想を練り、研究を進めていたボーイング社では、「モデル733」と呼ばれるデザイン案を1960年に作っていました。FAAから依頼をうけ作成されたボーイング社の設計案は、733として設計したデザイン案のひとつを派生させたものでした。

 なお、競合するノース・アメリカン社は、アメリカ空軍の超音速戦略爆撃機B-70を拡大したようなNAC-60という計画を、小型超音速機の経験を豊富に持つロッキード社は、「コンコルド」を大型化し、220席クラスまで引き上げたようなCL-823という機体案を提案しました。

 最終的にボーイング社、ロッキード社の2社が残り、最終設計案を作ってコンペをすることに。結果として、ボーイング社のものが採用されました。そうしてボーイング社は試作機の製造を開始し、1970年に初飛行、型式証明を1974年までに取得するというスケジュールを定め、「2707」という名称を与えました。この2707というモデル名は、「マッハ2.7で巡航する」という狙いも込められていると記録されています。ちなみに、ライバルの「コンコルド」はマッハ2.02とされています。

 ボーイング2707の全長は約96m(315 フィート)、全幅は約39m(126.8 フィート)の大きさをもち、横2-3-2列のシート配置で、250席クラスとされていました(2707-300の場合)。なお、2707は当初可変翼を採用する予定でしたが、重量がかさみすぎて満足できる航続距離が達成できないことから、最終的には、デルタ翼(三角翼)を採用しています。

【写真】コンパクトの極み! 異質な「コンコルド」の機内に潜入など

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コメント

1件のコメント

  1. B2707の模型ですが、初代鶴丸の1世代前の塗装(1970年代中頃までに塗替や老朽機材の退役で消滅)である「日の丸塗装」版の模型もあったのですね…。

    今はなき大阪の交通科学館では、B2707のライバルとなる、日航コンコルドの「日の丸塗装」版の模型も展示されてました。

    また、数年前には、なぜか?通常では想像すらできない、太陽のアーク塗装の1/400による、日航コンコルドの模型が、実際に出回っていたそうです。

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