鉄道の「輸送障害」30年で約2.5倍 30分以上の遅延・運休増 事業者の“悩み”浮き彫りに

右肩上がりで増えている遅延の要因とは?

 部外原因の内訳をみてみると、長年にわたり最も多かったのは「自殺」でした。しかし件数としては30年で横ばい。それ代わって今、部外原因の内訳で最大を占めているのが「動物」です。

 動物に起因する輸送障害は、2003(平成15)年の時点では81件でしたが、年々、右肩上がりに増え、2016(平成28)年には617件で「自殺」を上回りました。特にここ5年では大幅に増加しており、2021年度には1109件となっています。

 動物との衝突事故の増加は、路線によってはかなり深刻な状況です。たとえば岩手県の山間部を走るJR山田線では、2021年度に394件、同県内の釜石線では282件起こっています。山田線では毎日1件以上、起こっている計算です。

 統計をとっている国土交通省鉄道局 安全管理官室も、「災害」と「動物」が輸送障害の件数を押し上げていると話します。

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JR山田線の列車(乗りものニュース編集部撮影)。

 そこで、対策としてJR東日本盛岡支社では、ライオンのフンから抽出した成分を含む忌避剤の散布、侵入防止ネット、さらには動物へレーザー光を照射するレーザーの設置など、あの手この手と知恵を絞ってきました。今後は、列車に取り付けたスピーカーから、動物の警戒声などの忌避音などを流す装置の運用を拡大するとしています。

【了】

【画像で見る】事故減、でも輸送障害増のナゼ

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コメント

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1件のコメント

  1. > 部外原因の内訳をみてみると、長年にわたり最も多かったのは「自殺」でした。
    まぁ予想通りだよね。コロナで金銭的困窮、賃金上がらず、物価上昇、増税しかしない自民党。全て政権与党である自民党の責任だし政治全体の責任。
    いっそのこと幸福実現党や日本第一党に託してみたらいいよ。野党も既存政党はダメ。(参政党はよくわからんが、一応除外しておこう。) 自民党と云う洗脳から国民は目を醒ませ。