別府が誇る絶景“秘境路線バス”ついに廃止 温泉街育てたバス界の個性派「亀の井バス」の今

日本有数の温泉街・別府の秘境路線バスが廃止に。その終点「内成棚田」の絶景を、温泉街の新たな名物として地域総出でPRしてきたものでした。温泉街の育ての親が生んだバス業界の個性派「亀の井バス」が、いま苦境に立たされています。

内成線は今後どうなる?

 別府市議会でも新車両導入への補助なども含めた話し合いが続けられていたものの、急坂・カーブが連続する環境もあって、今後はひとまわり小さいジャンボタクシーでの運行を別府市が独自で行うことになりました。

 なおこの内成線は、市街地では流川地区・浜脇地区といった住宅街のもっとも山手のエリアをカバーしており、買い物などに利用する高齢者の乗降もそれなりに多く見かけます。その先の内成までは、ほぼ観光客ばかりという状況でしたが、別府市ではとりあえず代替となる路線を1年間運営し、利用状況に応じて今後の運行形態を決めていくそうです。

バス界の超個性派「亀の井バス」のいま

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右の車両が「すぱっと」専用車両。仙人田茶屋バス停にて、左は大交北部交通のバス(宮武和多哉撮影)。

 内成線は廃止となりますが、温泉街・別府を走る亀の井バスは、この地ならではの運行システムを持ち、観光地の乗りものとしてのあり方を観察することもできます。

 中でも象徴的なのが、バス車体や停留所の看板で目立つ「ぐるすぱ」表記です。別府市は広い傾斜地に温泉や遊園地・住宅街が点在しますが、その中でも観光施設が密集する鉄輪(かんなわ)・明礬(みょうばん)へ直行する需要は絶大なものがあります。かつては各地区へバス路線を運行していましたが、2012(平成24)年にはこれを別府駅~流川~鉄輪~亀川~別府駅間の「ぐるっとバス」(循環線)と「すぱっとバス」(鉄輪温泉に直行する系統)に再編。専属車両も「ぐるっと(緑色)」「すぱっと(ピンク色)」と色を分け、その他の運用車体にも側面にプレートを表示、バス停看板の上部にも飛び出したような看板を新設するという、かなり大掛かりな改変を行いました。

 その直後からフリー乗車券の売上が大きく伸びるなど、観光スポットの回遊とメインスポットへの直行という二つの相反する需要を確保し、翌2013年の決算で亀の井バスは過去最高益を記録、コロナ禍前まで好調を保っていました。

【路線図/写真】絶景・激セマ道走る「内成線」 まだ味わえる!

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