海上自衛隊で最も“実戦経験”アリ「掃海部隊」の凄み 米軍も一目置く旧海軍唯一の生き残り

自衛隊の中でも特別な存在といえる海上自衛隊掃海隊群。その歴史をひも解くと、自衛隊発足以前、さらには太平洋戦争前にまで辿ることができます。旧海軍唯一の生き残りともいえる部隊は、流転の半生を送ってきました。

所管を渡り歩いた掃海部隊

 当初、日本の掃海部隊はアメリカ海軍第5艦隊の指揮下にありました。そうしたなか、1945(昭和20)年11月末に海軍省が廃止され、掃海部隊は復員を担う第二復員省の所管になります。翌1946(昭和21)年には旧陸軍省の第一復員省と統合し復員庁になりました。

 その復員庁は1948(昭和23)年1月に廃止され、復員事業は厚生省(現在の厚生労働省)、掃海は運輸省(現在の国土交通省)へ移管、掃海部隊はさらに5月に新設された海上保安庁へと移っていきます。

 この間も、一般商船の触雷事故が相次ぎ、掃海作業でも多くの犠牲者が出続けますが、1950(昭和25)年6月に勃発した朝鮮戦争で転機を迎えます。

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日本周辺に1000ポンドMk26航空機雷を投下するアメリカ陸軍航空軍第9爆撃群のB-29爆撃機(画像:アメリカ空軍)。

 当時、韓国に駐留するアメリカ軍の主力部隊が引き上げた隙をついて北朝鮮軍が進攻を開始したため、開戦から短期間でたちまち釜山周辺まで占領されるという状況となっていました。これを受けて、GHQのトップだったマッカーサーは朝鮮半島を分断する仁川上陸作戦を計画します。この作戦においては、北朝鮮軍が敷設したソ連製の機雷が障害となります。

 この機雷を除去するにあたり、アメリカ軍と韓国軍では手が足りなかったことから、GHQは日本に動員命令を下します。日本側としても、日本海沿岸に漂着する北朝鮮の浮遊機雷があり、対岸の火事ではなかったという事情もありました。

 戦時下の掃海は危険度が増します。参加要員の志願が募られたものの、辞退した者も多くいました。そして編成された日本の特別掃海隊が受け持ったのは、仁川に続いて連合国軍が上陸する元山でした。

 派遣された掃海部隊の旗艦「ゆうちどり」と7隻の掃海艇からなる第1陣の第二特別掃海隊は、1950(昭和25)年10月10日に掃海を開始します。

 現場ではアメリカ軍の掃海艇が触雷事故により相次いで沈没しており、第二特別掃海隊も10月17日に掃海艇MS14が繋維機雷のために轟沈、死者1名と重軽傷者18名の被害を出します。人的被害はこの時だけでしたが、10月27日にはMS30が座礁沈没しています。

 その後、第二特別掃海隊の活動は仁川やその他の地域に広がり12月15日に終了、日本の掃海部隊は連合国軍から高い評価を受けました。

【写真】危険な「モルモット船」をはじめとする往年の掃海装備

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