「東名高速を電動キックボードで爆走」は新たな懸念? 原付や自転車誤進入の実態 対策効果も
誤進入対策が功を奏してきたが…
近年、道路管理者は歩行者や原付、自転車の「誤進入」に頭を悩ませてきました。NEXCO中日本管内では、2012(平成24)年に474件だったのが右肩上がりに増え、2019年には1009件に上りました。
これまで保護された人からは、歩行者ならば「認知症だった」「酒に酔っていた」、原付や自転車は「ナビアプリで誘導された」「外国人なので標識がわからなかった」といった原因が明らかになっています。
そこでNEXCO中日本も対策に力を入れてきました。外国人も意識し、啓発の動画は5か国語でそれぞれ作成。外国人の減少もあってか、2020年、2021年は同社管内の誤進入件数が882件、873件に減少しています。
「特に歩行者や自転車による料金所からの誤進入が減少しています。これは、新型コロナウィルス感染症の拡大による出控えのほか、外国人観光客や交通量の減少を含むなどもあると考えられますが、当社が2019年度以降、料金所などで路面シールやポール、カラー舗装などの誤進入対策を講じてきた効果とも考えています」(NEXCO中日本)
ただ、これら対策は主に、「入口」からの誤進入を主眼としたもの。対して今回は、本線上で停止したクルマから電動キックボードを取り出し、本線上を走行するという事案でした。
このドライバーの行為が言語道断であることは言うまでもありませんが、普及が拡大する電動キックボードなどのモビリティは、小型で折りたたんで車内に持ち込めるものも多く、ある意味、自転車よりもスペースを取らず乗るのも容易です。SA・PAなどで乗り回したり、本線まで出てしまったりすることも、考えられなくはないかもしれません。
NEXCO中日本は、キックボードに限らず、高速道路や自動車専用道路は歩行者や125cc以下の自動二輪車、軽車両は通行できないことを、引き続きウェブサイトなどで広報していくとしています。
【了】
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