無知か死ぬ気か 首都高への危険な「誤進入」 ナビアプリに課題? 宅配業者も増加傾向

歩行者や自転車、原付による首都高への誤進入。対策しても思うように減らない実態に、首都高速道路も頭を抱えています。新型コロナウイルスの影響で需要が増加した宅配業者が誤進入するケースも増えているほか、故意に入る人も少なくないようです。

年400~450件発生 しかしこれは「氷山の一角」

 歩行者や自転車、原付(125cc以下)などが首都高へ誤進入するケースが多いことから、首都高速道路がウェブサイトで注意を呼び掛けています。特に、最近大きく報じられているのが、新型コロナウイルスの影響で需要が増加した食事配達などの宅配業者によるものです。

 2020年5月には「ウーバーイーツ」の配達員が自転車で首都高を走行していた動画が、SNSなどで大きく取り上げられたほか、6月4日付の「神奈川新聞」は、1月から4月までのあいだに神奈川県内で9件、食事配達員が首都高を含む高速道路へ進入するケースが発生したと報じました。首都高速道路によると、4月と5月は外出自粛の影響もあり例年より件数は減少したものの、宅配業者の誤進入は、「ウーバーイーツ」以外も含め増加傾向にあるといいます。

 神奈川の9件はすべて原付によるもので、うち8件はスマートフォンなどのナビアプリをクルマ向けにしていたため、誤って導かれたことが要因だったとしています。首都高速道路によると、自転車や原付による首都高への立ち入りのうち、およそ3割がナビアプリを使用しての誤進入だそうです。

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首都高の出口から進入する自転車(画像:首都高速道路)。

 首都高への誤進入は、ここ10年程度、年間400件から450件ほどで推移しているといいます。ただしこの数値は、誤進入した人が「保護され調書がとれた件数」とのことで、実際には氷山の一角だとか。

 というのも、通報を受けて駆け付けても、すでに首都高から出てしまっているケースも多いのだそうです。数々の対策で一時的に件数が減っても、新たに立ち入る人が後を絶たないといい、首都高速道路も頭を抱えています。

 ちなみに、前出の5月にSNSで話題になった「ウーバーイーツ」の配達員はその後、警察に「時間短縮のためだった」と、故意に進入したことを認めているそうです。

「こうした状況があることを広く伝えてほしい」と、誤進入対策を担当する首都高速道路の交通安全推進課は話します。今回は同課にオンラインで話を聞きました。首都高への誤進入は、本当に「誤って」なのでしょうか。それとも故意が多いのでしょうか。

【画像】「そこの白い服を着たあなた!」全力で引き返させる誤進入警告システム

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コメント

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2件のコメント

  1. ほぼほぼ無知な確信犯だろう。
    特にスマホのナビゲーションではどこにいるかを確認するだけのシステムで、どの”道”にいるかどうかは確認していない。
    だから妙な情報が出たと考える頭もない。

  2. 「自転車モードや原付モードの開発が難しい」とはシステム開発者の怠慢ではないか。
    ヒューマンエラーを防ぐために必要とされることを理解しての発言とは思えない。
    実際Webブラウザーで表示する地図サイトでも有料道路を通らない設定など普通にできるのだから、できない理由にはならない。