FDAの超斬新企画「3日で花巻→山形→新潟を旅客機で巡るツアー」なぜ実現?背景にある“裏事情”とは
珍ツアー実現のウラにあった「航空会社の悩みの種」
FDAの担当者によると、実はこの変わり種ツアーが企画されたのは、とある航空会社ならではの”裏事情”が関係しているのだそうです。
同社ではこのツアーが実施された9月23日に花巻で、24日に山形で、25日に新潟で、それぞれ機内から富士山を眺める趣旨の同一空港遊覧チャーターを計画していました。ただ、これを実施するためには、旅客機をチャーター実施地の空港まで回送運航(フェリー便)しなければなりません。この回送運航は、当然お金を支払って乗ってくれる乗客はおらず、燃料費だけがかかってしまうという、航空会社にとって大きな悩みのタネのひとつといえるでしょう。
今回FDAが実施したこの3都市をめぐるツアーは、この回送運航を生かし、ツアー向けの旅客便として運航するという取り組みです。こうすることによって、旅客は斬新な東北ツアーを体験でき、一方FDA側にとっても、売上がない回送運航と比べて営業収益が期待できるというわけです。
企画担当者は、今回のツアーについて「乗っていただけるだけでありがたいんです」と話し、今後もこういった複数都市にまたがるツアーを企画していければと続けました。
独特な路線網をはじめ、いまや名物イベントとなった「数日間旅客機ほぼ乗り放題ツアー」をはじめ、斬新な企画展開も強みとするFDA。静岡が誇る「びっくりツアーに定評がある航空会社」は、今後も旅行ファン、航空ファンを楽しませてくれるユニークな企画を打ち出してくれるかもしれません。
【了】
Writer: 松 稔生(航空ライター)
国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。
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