リチウムイオン電池搭載の最新潜水艦「じんげい」進水 海上自衛隊期待の高性能艦 三菱重工

海自では初の艦名、旧海軍では外輪船と潜水母艦で採用。

就役は2年後の2024年3月を予定

 防衛省は2022年10月12日(水)、三菱重工神戸造船所(神戸市兵庫区)において新たに建造された、たいげい型潜水艦3番艦の命名式および進水式を実施しました。

「じんげい」と命名されたこの艦は全長84.0m、幅9.1m、深さ10.4m、基準排水量は約3000トン。乗員は約70名、主機関はディーゼル電気推進で、リチウムイオン電池搭載の1軸推進式です。起工は2020年4月24日で、今後、艤装や各種試験を実施したのち、2024年3月に引き渡しの予定です。

Large 221012 jingei 011

拡大画像

2022年10月12日に進水した、たいげい型潜水艦の3番艦「じんげい」(深水千翔撮影)。

 たいげい型潜水艦は、ディーゼル推進の通常動力型潜水艦としては世界最大級であり、なおかつ建造時から女性自衛官の勤務を想定して相応の設備を有しているのが特徴です。外観形状は、従来のそうりゅう型潜水艦とほぼ変わらないものの、探知能力や静粛性が一層向上しているといいます。

 主機関はディーゼルエンジンとリチウムイオン電池を組み合わせたディーゼル電気推進を採用。主要装備として、艦首に魚雷発射管を備えるほか、潜水艦戦闘管理システムや、ソーナー装置(艦首アレイ、側面アレイ、えい航アレイなど)、TCM(Torpedo Counter Measure:潜水艦魚雷防御システム)を搭載しています。

 なお、「じんげい」は漢字では「迅鯨」と書くそうで、これは海の王者たるクジラが波をけたてて疾走するさまを表現した単語とのこと。この名称を海上自衛隊が用いるのは初めてですが、旧日本海軍では2度の採用例があり、初代は1881(明治14)年8月に就役した、外輪船「迅鯨」で、2代目は1923(大正12)年8月に就役した潜水母艦「迅鯨」でそれぞれ命名されています。

【了】

【神戸で建造】最新潜水艦「じんげい」進水式の様子ほか

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。