20年ぶりの自衛隊「国際観艦式」空から見てみた! 新造艦と古参艦が邂逅 まさにオールスター!

動画で観艦式見る場合のオススメポイント

 次いで行われたのが訓練展示です。

 潜水艦が戦術行動という操船作業の一環として潜航・浮上を展示したほか、P-1哨戒機による赤外線欺瞞装置「IRフレア」の投射やUS-2救難飛行艇による離着水などをおこなったのち、ブルーインパルスによる飛行展示も行われました。これらが終了すると、岸田総理は格納庫において訓示したのち、ヘリコプターで「いずも」から離艦、こうして国際観艦式は終了しています。

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単縦陣で航行する護衛艦と練習艦。右手前から「もがみ」「くまの」「しまかぜ」。前2艦と「しまかぜ」とでは建造時期で約35年もの差があり、それが外観にも表れている(武若雅哉撮影)。

 このように国際観艦式の一連の流れを振り返ってみましたが、このなかで空撮できたのは、航空機による訓練展示が行われる前まででした。なぜなら、航行する部隊の上空を飛行する撮影機(ヘリコプター)は、航空機が訓練展示を始めると、その障害となってしまうため、進路を開ける必要があったからです。また、訓練展示後に解散した艦艇は、再び集まることがないため、そのまま撮影機は飛び立った基地まで戻りました。

 こうして、20年ぶりとなる海上自衛隊の国際観艦式は幕を閉じましたが、一連の模様はライブ配信が終わったあとも、インターネットの動画サイトなどで視聴することが可能です。空から観艦式を見ていた筆者が、国際観艦式を楽しむポイントとしてあげるのは、なんといっても「新造艦の雄姿」と「古参艦の風格」という点でしょう。竣工して間もない新造艦は艦体がきれいなのに対し、古参艦は随所に錆が浮いていて、年季の入り方が伊達ではありません。当然、乗員の練度もそれだけ高く、しっかりと単縦陣を組み、航行ルートをブレることなくピタリと決めていました。

 久しぶりに日本で国際観艦式を開催したとあって、参加艦艇の見事な操船は空からもよく実感することができました。次回の観艦式は予定通りだと2025年です。3年後はコロナ禍による乗艦制限も緩和され、昔のように見学者を多数載せた艦船が集う、従来通りの観艦式になっていることを期待しましょう。

【了】

【空撮ならでは!】国際観艦式に参加した海自艦船をイッキ見

Writer: 武若雅哉(軍事フォトライター)

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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