戦艦+空母を実現 戦艦「伊勢」の進水日 -1916.11.12 “二刀流”は最強だった?

太平洋戦争で"スーパー戦艦"として変身しましたが…

航空戦艦に改装されたあとは?

「伊勢」の改装は1942(昭和17)年12月からスタート。船体後部の第5および第6砲塔が撤去され、代わりに格納庫や射出装置(カタパルト)、航空燃料庫などを装備。計22機の航空機を運用できる能力が付与されました。

 こうして、世界でも稀な戦艦と空母の両方の性格を持つ「航空戦艦」にモデルチェンジを果たした「伊勢」ですが、結局搭載する航空機に恵まれなかったことや、そもそも戦力的に中途半端なものになってしまったことなどから、その後も最前線に投入されることはほとんどなく、グアム南方で要塞となっていたトラック島へ補給したのち、フィリピン沖で日米の艦隊が激突したレイテ沖海戦で用いられたのが最後となりました。

 レイテ沖海戦で多くの日本戦艦や空母が沈んでいくなか、「伊勢」はなんとか生き残り、呉へ帰着。制海権を失い本土と分断された南方の輸送ルートを確保する「北号作戦」にも携わり、1945(昭和20)年の夏を迎えます。

 本土に押し寄せたアメリカ軍機は旧日本海軍の要衝・呉にも空襲を行い、「伊勢」もその標的となります。7月24日の空襲で「伊勢」は同型艦の「日向」とともに攻撃を受け大破、そのまま放棄されて終戦を迎えました。

 損傷が大きかったため、復員船などに使われることなく戦後は徐々に解体されていき、1951(昭和26)年に完全に姿を消します。こうして、世界的にも稀有な「空母+戦艦」という軍艦は、結局ほとんど戦果を挙げることなく姿を消しました。

【了】

【戦艦「伊勢」の雄姿と最期】

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