ロケット打上げ失敗→“スグ爆破”なぜ?「指令破壊」巡る誤解 実は究極の安全対策

2022年10月12日、打ち上げに失敗したイプシロン6号機は遠隔操作で破壊されました。なぜ、このようなことが必要だったのか、「指令破壊」に至るプロセスと、そのやり方について解説します。

指令破壊後のロケットはどうなるのか

 指令破壊後のロケットは、地球上に落下します。この際、安全な場所に落ちるように事前に計画が立てられています。

 ロケットの飛行コースは、人工衛星の目的とする軌道によって事前に決まります。また、ロケット各段を分離するタイミングも事前に計画が立てられています。

 すると、分離した各段が落ちる場所が計算でわかります。イプシロン6号機の場合、1段目の落下予想区域が沖縄東方沖、2段目の落下予想区域がフィリピンのミンダナオ島東方沖で、打ち上げ時はこの中に船などが立ち入らないように調整されています。空中も同じように安全区域が設定され、飛行機などはその区域を避けて飛ぶことになっています。

 機体は落下中に空気抵抗である程度バラバラになりますが、宇宙空間から再突入するわけではないため、燃え尽きることはありません。海面衝突時のショックで更に細かく破壊されたロケットの破片は、そのまま太平洋に沈みます。

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イプシロン6号機の落下予想域。左下のエリア内に落下したと考えられる(『令和4年度ロケット打上げ計画書 革新的衛星技術実証3号機』より)。

 ちなみに、海底に沈んだ残骸の引き上げの可能性についてJAXAに話を聞いたところ、2000(平成12)年には事故原因究明のために「H-IIロケット」の第1段エンジンを海底から引き揚げたことがあったものの、今回の「イプシロン」6号機については回収することは考えていないとの回答でした。

 2022年11月3日現在、「イプシロン」6号機の打ち上げ失敗について、原因は第2段の姿勢制御装置の一部がうまく働かなかったため、というところまで絞り込まれています。

 なお、「イプシロン」シリーズは次号機から「イプシロンS」と呼ばれる能力増強型になりますが、これに影響する部分なのかが気になるところです。

 衛星打ち上げロケットの成功率は、世界的に見て90~95%が標準です。失敗は残念ですが、決して珍しいことではありません。ですが、積荷である衛星の関係者にとっては、貴重な実験や事業機会が失われることになりますから、より打ち上げ成功率の高いロケットが求められるのは言うまでもありません。

 筆者(東京とびもの学会)としては、イプシロンには今回の失敗を糧としてさらなる改良を行い、信頼性の高い機体に育って欲しいと願っています。また、打ち上げに失敗してしまった衛星にも、再打ち上げの機会が早く訪れるように祈ります。

【了】

【画像】「イプシロン」ロケットの内部透視図ほか

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コメント

1件のコメント

  1. 妨害を受けないようにと言うこととロケットの姿勢によって受信不能にならないような周波数と特大出力になってます

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