救急車「サイレン鳴らさず来て」はNG! まるでタクシー代わり 通報者の意識は変わるのか
「じゃあ自分で行こうかな~」な人も無碍にできない
こうした状況に、多くの消防本部が救急車の適正利用を促す観点からも、サイレンの必要性に理解を呼びかけています。「救急車はタクシーではありません」「本当に緊急性のある人のためにあります」といったメッセージをウェブサイトなどで掲げていることもあります。
ただ、熊本市消防局の動画では、「じゃあ自分で行こうかな~」と気が変わった通報者に対しても、指令員は「もし行っている途中に悪化したりすると危ないですから」と、救急車を出動させようとしています。もしかすると、一刻を争うケースの可能性もあるからです。
「サイレンを鳴らさないでほしい」「救急車が必要かどうかわからない」といった理由で、救急要請そのものがためらわれてしまうと、救えるものが救えなくなる可能性も考えられます。そこで総務省消防庁は、「#7119」に電話して医師や看護師などのアドバイスを受けられる「救急安心センター」の活用などを推進しています。
総務省消防庁によると、近年、右肩上がりで上昇していた救急出動件数はコロナ禍で減少。2021年度は2020年度より増えたものの、5年前と比べると、出動件数で0.3%減となっていました。
搬送者の傷病の程度別では、入院が必要な中等症の患者の割合は増える一方、入院不要な軽症の割合は減少しているそうです。「#7119」の運用はまだ一部地域にとどまりますが、その活用を含め、救急車の適正利用が少しずつ進んでいる可能性もあります。
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