軍人さん、かなりキツい状況で「ブラボー!」の声…なぜ? まるで“呪文”のような言葉の羅列、その意味とは
作戦行動中の部隊が、「アルファ」「ブラボー」「チャーリー」「デルタ」……などなにか暗号のような言葉で意思疎通を図っています。これはどういう意味なのでしょうか。
呪文でも暗号でもなく意思疎通の手段?
創作物などで度々見聞きする機会がありますが、作戦行動中の部隊が、「アルファ」「ブラボー」「チャーリー」「デルタ」……などなにか暗号のような言葉で意思疎通を図っています。この言葉は「フォネティックコード」と呼ばれる、北大西洋条約機構(NATO)や国際民間航空機関(ICAO)等が定めた通信などの際のルールになります。

なぜこのようなコードが必要なのか、それはなにより誤認を避けることです。例えば高齢者の方が「DVD」のことを「でーびーでー」と発音し、「いったい何のことだ?」と困惑した経験はありませんか? こうした経験がなくとも例えば、メールアドレスを電話や口頭で伝えることになった際などに、「b」と「d」や「n」と「m」などが正しく伝わらず、困ったことが多いはずです。
実はこのようなケースは日本に限った話ではなく、多国籍な軍人が作戦行動をとる必要があるNATOや、英語が母語ではないパイロットも多く往来する航空機業界でも似たような問題が発生します。そこで誤認を避けるべく考えだされたのがこのフォネティックコードです。
簡潔にこのコードを説明すれば、情報を正しく伝達するために定められている通話表となります。音声だけの通信ですと、アルファベットでは、上記のような騒がしい場所での情報伝達ミスや、発音の癖による聞き間違いなどが発生することがあります。そうした誤認による重大事故を防ぐため、26個のアルファベットに、わかり易い固有名詞を与えたのがこのコードになります。
具体的にどのようなものかといえば「A」には「Alfa(アルファ)」、「B」には「Bravo(ブラボー)」、「C」には「Charlie(チャーリー)」といった、その文字を頭文字に使用した名前を当てはめていきます。ですから、例えば前述の「DVD」ですが、NATO基準で伝える場合は、「Delta(デルタ)」「Victor(ビクター)」「Delta(デルタ)」と伝えることになります。これにより、「DVD」のつづりが正確に伝えられる、という仕組みです。
通信としては少し長くなりがちですが、正しく伝わらないよりは、伝わった方が安全なためこうした方法がとられています。また、0から9までの数字にも、フォネティックコードは付けられています。
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