意外といける?「超狭ホームにホームドア」阪急春日野道駅で準備万端 残る中津駅はどう対応

工夫と発想で「車いすも利用できる」狭隘ホーム駅に

 そんな春日野道駅も、バリアフリー化工事はすでに大詰め。今年度中に完了見込みとなっています。「整備困難」な狭さをどう克服したのでしょうか。

 2023年1月にホームへ降り立つと、すでに両側の先端部にホーム柵取りつけ位置が示され、設置準備万端となっていました。またホーム床面もリニューアルされており、印象は「意外と広いな」というものでした。その理由は、ホーム中央にあった安全柵やベンチが撤去され、歩行可能面積が大幅に増えたからです。

 とはいえ中央部に並ぶホーム屋根の支柱はどうしようもなく、支柱とホーム柵の間を車いすが通り抜けるのは困難そうです。

 それに対する課題克服は逆転の発想でした。もともと何もなかった神戸三宮側のホーム先端にエレベーターを新設し、同じく新設した屋根は「柱を門型に配置する」ことで、ホーム中央を車いすが通り抜けられるようにしています。ホーム端のエレベーターから、既存の屋根柱に当たるまでの神戸三宮側の1、2両分で乗降可能にし、バリアフリーの導線を確保しているのです。

 こうして目立った大改修もなくバリアフリー化・ホーム柵設置を実現した春日野道駅。同じく方法が中津駅でも可能なのでしょうか。現時点で中津駅は、何もない神戸三宮側のホーム先端まで屋根があるため、一部を取り払って「門型屋根柱」に置き換えるのかもしれません。

 阪急は「鉄道駅バリアフリー料金」発表時の取材に対し「春日野道駅で工事が進んでいることから、中津駅でも設置を進めていくこととしました」とし、ある程度の”手ごたえ”は感じているようでした。しかし具体的な設置方法については「検討を進めています」と話しました。

 ちなみに一昔前は、もうひとつの「極狭ホームの春日野道駅」がありました。近隣にある阪神本線の地下駅で同じく島式ホームでしたが、中央の支柱をのぞけば歩ける幅は数十センチ程度。危険なため、電車が来るタイミングでコンコースからホームへ降りるのが一般的でした。2004年に相対式ホームに改修されましたが、今でも線路と線路のあいだに狭隘ホームの名残を見ることができます。

【了】

【「鬼狭ホーム」春日野道駅と中津駅の様子】

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