運休なのに電車動いてる? 大雪ストップの関西 JR各線で"闇営業"が絶対必要だったワケ

大雪で広範囲に運転見合わせとなった京阪神地区のJR各線ですが、運休中にも関わらず、実はわずかな列車が営業運行していました。SNSでは“闇営業”などと揶揄されましたが、なぜこうした措置が行われたのでしょうか。

大雪「関西JRほぼ運休」のなかでなぜか列車が

 最大級といわれる寒波の到来による大雪で、2023年1月24日から京阪神地区のJRは広範囲で運休が相次ぎました。新快速が走り関西の大動脈であるJR神戸線・JR京都線・琵琶湖線系統や、関西空港方面へ向かう阪和線などが、25日も全線にわたって運転見合わせとなっていました。

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広範囲で運転見合わせとなった京阪神地区のJR各線(読者提供)。

 いっぽうで25日朝から、実際に駅にやってきた人などのあいだで「運休なのに、電車動いてる」「阪和線、30分間隔くらいで運行されてるぞ」などと、SNSを中心に報告が複数上がりました。中には「闇営業」なる単語も出現し、一時トレンドワードになるほどでした。

 運休と発表しているにもかかわらず、電車が動いていたのはどういった状況だったのでしょうか。JR西日本の広報担当に尋ねてみました。

「京阪神地区では24日の夜から順次各線区で運転見合わせが始まり、鉄道車両が本来の位置に戻らないまま次の日を迎えることとなりました」と担当者。翌朝に動いていた列車について「徐々に運行再開へ向けていくために車両を運用し、必要な列車を運行しています」と話しました。車両の運用は、「複数の列車が詰まっている」といった配置の問題だけでなく、修繕計画なども考慮する必要があり、運休としている間も、再開後を見据えてどうしても列車を動かす必要があるといいます。

 ただその車両運用も必要最小限であるため、「運行再開と言える本数ではなく、輸送力は極めて小さいものとなっています。ここで運行再開と発表してしまうと、通常運行と考えたお客様が殺到することになるため、通常運転が再開できる状態になるまで『運休』のままとしています」。

 このような事情で『運休中』も運行されている”闇営業”列車。JR西日本が提供している列車走行位置の情報にも、リアルタイムで記録されていました。また、駅の発車案内にも当該列車は表示されており、決して秘密裡に動いているわけではありません。しかし「駅に行けば乗れる」状況からはほど遠いため、JR西日本は振替輸送として当該の近隣他社線の利用を呼びかけています。

【了】

【JR京都線"闇営業"の決定的瞬間】

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コメント

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1件のコメント

  1. 何故タイトルに「闇」と称して炎上を誘うのか。運行を見越しての「回送」でしょ?乗れなかった乗客からの発信ならともかく、マスコミとしての姿勢が疑われる。