インド「フランカー」Su-30 ソックリさんSu-27&Su-35ほかにも「全部同じじゃないですか!?」見分けるには?
2023年1月10日、インド空軍の戦闘機Su-30MKIが共同訓練のために来日しました。西側では「フランカー」の名で知られる同機ですが、この愛称はSu-27シリーズ共通で、各タイプの判別がかなり困難な機種でもあります。
「フランカー」といっても1機種にあらず
2023年1月10日、インド空軍の戦闘機Su-30MKIが共同訓練のために飛来しました。西側のコードネームでは「フランカー」と呼ばれる同機ですが、この愛称で呼ばれる機体は他にもあります。たとえばSu-27、Su-33、さらにはSu-35(Su-35S)あたりがよく知られます。とはいえ、型番が違うところからわかるように、見た目は似通っていても機体の構成材や電子機器がかなり異なります。
しかも、改修を加えることで、Su-27Mとさらに型番が細分化したり、輸出版Su-27MをかつてSu-35と呼んでいた関係上、Su-27を改良して新しく開発されたSu-35を、場合によってはあえてSu-35Sと呼んだりと、かなりややこしいことになっています。
タイプによっては、小翼の追加などで何とか外見から各タイプごとの差異が判断できることもないわけではありません。ただ、思わず某マンガのように「全部同じじゃないですか!?」と言いたくなるのも事実。そこで代表的なタイプに絞ってタイプごとの識別ポイントを見てみましょう。
「フランカー」ファミリーの始祖・源流Su-27
一般的に「フランカー」といえば、1970年代にソビエト連邦で初飛行し、1980年代に運用が開始されたSu-27のことを指します。ちなみに、ソ連での愛称は「スーシュカ」や「スハーリ」だったとのこと。
後の発展型にも受け継がれる主翼と一体化したボディと、2枚の大きな垂直尾翼が特徴で、一見すると航空自衛隊も採用したアメリカ製戦闘機F-15「イーグル」に似ているという印象を持つかもしれません。
なお、空母上で運用する艦載仕様としてSu-33というタイプが存在しますが、こちらは主翼が折り畳めるようになっており、コックピット直後の左右部分に小さな翼、いわゆるカナード翼を増設しているのが特徴です。
インド空軍が日本持ってきたヤツ! Su-30
Su-27の2人乗りである、複座型をベースに開発されたのがSu-30シリーズです。輸出仕様は、導入国によって多少の差異があり、インド空軍が使用しているSu-30MKIでは、カナード翼が設けられています。インドのほかにも、中国、マレーシア、ベトナムなど13か国が導入しました。
なお、カナード翼以外に、同機とSu-27との違いを判別できる場所として、エンジンノズルの形状が挙げられます。Su-30以降は3次元推力偏向ノズルを装備しているのに対し、Su-27は固定ノズルとなっています。
ちなみに、すべて複座型というわけではなく、インドネシア軍が運用しているSu-30KIはひとり乗りの単座仕様だといいます。
最後の写真『S-35Sはテールブームの先端が尖っているのが特徴(画像:ロシア国防省)』の『S-35S』は、『Su-35S』の誤りではないでしょうか?
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。