北海道の次は「四国」東急の観光列車なぜ出張? 電車なのになぜ機関車連結? 明かされた経緯と“野望”
なぜ電化区間だけを走るのか?
――なぜ今回は電化区間だけを走るのでしょうか?
今回は初めての四国行きということで、列車をけん引する機関車の手配が、「電気機関車」のみ実現したからです。ディーゼル機関車が手配できれば、非電化区間である松山から先の伊予灘沿岸、伊予大洲や宇和島、また琴平から先の大歩危、高知方面、さらに高松から先の徳島方面にも走ることは可能です。物理的な障壁があったからという理由では今回ありません。
――そもそも「THE ROYAL EXPRESS」の車両は、気動車ではなく電車です。電化区間なら、電気機関車にけん引されなくても自分で走れるのではないでしょうか?
実はできないのです。電車は架線からパンタグラフで電気を取り込んで走りますが、四国ではトンネルの規格から、パンタグラフが通り抜けることができない箇所がありました。小さいパンタグラフなど検討はしましたが、実現できず、自走はあきらめました。
――伊豆から岡山までは自走するのですか? それとも北海道行きと同じく、機関車によりけん引され運ばれるのでしょうか?
北海道の場合と同じく、8両編成をいったんバラし、パンタグラフも外し、5両だけを機関車で運び、現地で組み直します。
――「THE ROYAL EXPRESS」の車内では、バイオリニストの大迫淳英さんが、自ら作曲のテーマ曲などを演奏されます。大迫さんは四国行きにも帯同されるのでしょうか?
はい。テーマ曲については、北海道行きの際も雄大なイメージにあったアレンジを別途していただきましたが、四国行きの際も、そのような「四国スペシャル」を用意していただければ、と考えています。
――四国行きは、なぜ1~3月での運行なのでしょうか?
メインである伊豆方面行きは春・秋に走り、その合間である夏に、北海道へ足を伸ばしています。最後の合間がこの冬の時期で、遠方へ行く余裕があったのです。
――四国行きの実現にあたって、どのような苦労がありましたか?
鉄道会社が自社の線路に他社の列車を走らせるには、あらかじめ綿密に技術的なチェックを受ける必要があります。今回はJR西日本とJR四国、そしてけん引していただくJR貨物とで調整をおこないましたが、北海道の場合とは技術的な違いも多く、設備も異なり、北海道行きを実現させるまでと同じだけの苦労がありました。調整などでこれまで1年はかかっています。
【了】
その次はJR九州でしょうか
水戸岡さんの列車が並ぶのもみてみたいけど
被るからそれはないのかな・・・