浜松~長野直結「三遠南信道」究極の山岳地帯に続々と工事 どこまでできた?
急峻な山脈に挑む重要ネットワークです。
全工区で事業化済み
新東名と中央道を「縦に直結」する高規格道路「三遠南信自動車道」の整備事業が各地で進んでいます。
三遠南信道のルートは、新東名の浜松いなさ北IC・JCTから北上し、佐久間ダムの脇を抜けて、中央構造線の深く切り立った谷をまっすぐ北へ抜けたあと、西に進路を変えて飯田市街に到達。中央道の飯田山本ICへ接続する計画となっています。総延長は約100kmにもおよび、日本有数の山岳区間を貫いていく大プロジェクトです。
中央構造線の谷間は現道を改良する形で、それ以外の大半の区間は高架やトンネル、盛土で道路を新設します。
現在の進捗ですが、開通済みなのが4つの区間で、浜松いなさ北JCT~鳳来峡IC(13.9km)、東栄IC~佐久間川合IC(6.9km)、矢筈トンネル(4.8km)、飯田上久堅・喬木富田IC~飯田山本JCT(14.6km)です。
残りの4つの未開通区間はすべて事業化済みで、進捗はそれぞれ以下のとおりです。
●鳳来峡IC~東栄IC(7.1km):2025年度開通めど
深い山奥を抜けていくため、大部分がトンネル。3号トンネルが延長約3.6kmで、開通めどはこのトンネル工事が順調に進んだ場合とされています。
●佐久間川合IC~水窪IC(14.4km):測量開始済み
深い山奥を抜けていくため、ほぼすべてトンネル。長い工事が予想されます。2019年に事業化し、昨年5月に測量開始となっています。今後、詳細設計が完成し、用地取得が完了すれば、ようやく工事開始となります。
代わりの現道ルートは国道473号と国道152号。通行困難な峠越えはありませんが、バイパス延長が14.4kmのところ、曲がりくねる谷筋に沿って約25kmの長い道のりとなっています。
●青崩峠道路(5.9km):主たるトンネルが貫通間近
最大の難所である青崩峠を4998mの長大トンネル「青崩峠トンネル」で抜けていきます。現道はまともな道が存在せず、東側の兵越峠ルートが一応国道152号となっていますが、通行はきわめて困難です。トンネルは3月末時点で掘削率98%に達し、貫通まで秒読みとなっています。
●矢筈トンネル~飯田上久堅・喬木富田IC(7.5km):トンネル11本中1本が着手済
トンネル11本と橋梁9基で、天竜川東側の伊那山地を抜け、飯田市内で開通済みの区間につなぎます。現在は橋梁と切土部の工事が主体で、トンネルはまず掘削地点への工事用道路を作る作業が各地で行われています。国道256号は分断されており、飯田市街への現ルートは喬木村内を抜ける県道となっています。
【了】
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