新手のオービス? 高速道路上で増える「重量超過警告板」 何のため?

高速道路の本線上に、「重量超過警告板」という新たな装置が登場しています。「走行」「追越」と書かれたプレートの横にそれぞれ電光掲示板があるというもの。これにより何が変わるのでしょうか。

「走行」「追越」車線ごとに計測装置が

 高速道路の本線上に、これまであまり見なかった電光掲示板が増えています。それは、「走行」「追越」と書かれたプレートの横にそれぞれ電光掲示板を有する「重量超過警告板」なるもの。2023年4月現在、中央道の東京都内から山梨までのあいだでは2か所ほど確認できました。

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高速道路の本線上に設置された重量超過警告板の例(Googleストリートビューより)。

 重量超過警告板は、その付近を通過した重量オーバー(軸重超過)の車両に対し「軸重超過」と表示するものだといいます。

 軸重とは、それぞれの車軸に架かる重量のこと。NEXCO中日本八王子支社によると、こうした軸重計は従来から料金所に設けられていましたが、軸重超過車両への現地指導は、「料金所で“車限隊”がいる場合などにしかできなかった」のだそう。

 車限隊は、道路を走行できる車両の重さなどを規定した「車両制限令」の違反を取締る部隊です。警察以外にNEXCO東日本・中日本、西日本、首都高速、阪神高速、本四高速といった道路管理者も行っています。主に料金所付近で当該車両を停止させ、車両を計測装置の上に載せ、実際の重量を計測、違反が判明した場合にはドライバーに書面を交付し、Uターンや次のICでの流出を命じて高速道路から退出してもらったり、積荷の軽減措置などを命じたりしています。

 そして本線にも軸重計の設置を進め、本線を通過中にも計測ができるようにしたのだそう。「取締りの機会を増やし、より適切に利用していただく」(NEXCO中日本八王子支社)のが目的だといいます。

 実は2023年4月から、この軸重計を活用した指導取締りが、前出した道路管理者6社で開始されました。軸重計により高速道路を通行した違反車両の実態を把握し、違反を繰り返す事業者には警告と是正指導を実施。それでもなお違反走行を繰り返した事業者に対しては、是正指導内容の公表、特殊車両通行許可の取り消し、告発などを行うとしています。

 というのも、軸重超過の車両は、道路に多大なダメージを与えるからです。そのダメージは軸重の12乗に比例するとされ、法令違反である軸重20tの車が走行すると、道路への影響は軸重10tの車の約4000倍になります。このため、規定を超過する車両を走行させるには特殊車両許可が必要となっていますが、許可なし車のほか許可車でも規定に違反する走行が相次いでいることから、道路管理者や国は違反者に対し厳しい態度で臨んでいます。

【了】

【“光る”とどうなる?】高速道路上の「重さオービス」(写真で見る)

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