「歩道は低く」がトレンド、知ってました? 実は変化している歩道の“高さ” 格段に利用しやすく

ブロックを斜めにカットして通りやすく

「セミフラット形式」の歩道と車道の境目には、縁石として高さ15cmのコンクリートブロックを並べています。これは「フラット形式」の歩道と同様ですが、市街地では「マウントアップ形式」に慣れた自転車が歩道側からブロックに近付いて、ペダルを引っ掛けて転倒するおそれもあるので、別途、柵を設置するのが基本です。また歩道に降った雨水が車道へ流れるよう、水抜きのスリットが設けられています。

 さらに横断歩道では、コンクリートブロックを斜めにカットした形状に変更することで、車輪が引っ掛かるような段差を減らしています。少しだけ段差を残しているのは、視覚障がい者が歩道と車道の境目を認識できるようにするためです。

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マウントアップ歩道。横断歩道にかけて急勾配ができる(大貫 剛撮影)。

 2005年に国土交通省が「歩道の一般的構造に関する基準」を改正し、「セミフラット形式」を基本とすることになりました。このため近年に建設された新しい道路や、拡幅などの改築が行われた道路は「セミフラット形式」が多くなっています。また従来の「マウントアップ式」の道路で補修が行われる場合も、歩道の勾配を従来より緩くしたり、「セミフラット形式」と同じ斜めにカットされたブロックを使用したりすることがあります。

【了】

【あー全然違う!】古い歩道と新しい歩道「段差」の違い(写真で見る)

Writer: 大貫 剛(宇宙・科学ライター)

宇宙開発を中心に活動する科学ライター。東京都庁の土木技術職員として11年間勤務後、宇宙開発ベンチャーを経て独立。宇宙船やロケットのほか、趣味のスカイスポーツや古巣の道路も取材する。子供の頃からの鉄道好きだが、最近は飛行機や車での移動も多い。

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コメント

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1件のコメント

  1. なんで「セミフラット」なのか。完全にフラットで良い。縁石も要らない。車道との区分はせいぜいペイントで充分。大半の雨水は路面を流れていくし、下水道は別にあるから、側溝も不要。
    明治以来の慣例だろうが、歩道は舗道とは違う。わざわざ舗道にしなくて良い。