ビッカビカ!「金属むき出しJAL機」復活アリ? 「JAL貨物機13年ぶり復活」で話題、珍デザインの効果

「ガンメタのJAL機」にはどんな効果が?復活はあるのか?

 一方、「ポリッシュド・スキン」は胴体の金属部分がむき出しで、胴体に使用されているアルミ合金を研磨剤で磨きあげていました。これは表面に酸化皮膜を作り上げることで、塗装したのと同様に機体の腐食を防ぐほか、光沢の維持を図るというもの。

 JALの貨物機では、767、「ジャンボ・ジェット」ことボーイング747でこの塗装を採用していたほか、現行塗装へ変更される以前のアメリカン航空機なども、この「ポリッシュド・スキン」を採用していました。

 塗装がない「ポリッシュド・スキン」、その大きなメリットは、軽量化による燃費の向上です。

 JALによると、ボーイング747の場合、胴体表面に使用される塗料の重さは約150kgといいます。「ポリッシュド・スキン」はそのぶん機体が軽くなり、これにより1年間で1機あたり4万リットル、ドラム缶だと約200缶分に相当する燃料の節約ができるとしています。

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JALのエアバスA350-900の初号機。同社がESG経営の軸に掲げている「新機材の導入推進」の象徴的な飛行機だ(2019年5月、伊藤真悟撮影)。

 機体のサイズこそ767の方が小型ではあるものの、「塗装をしないことによる燃費向上」という効果は同じく期待ができたわけです。こうして「ガンメタのJAL機」が生まれました。

 このたび復活する「JALの貨物機」は、宅配大手のヤマト運輸などと提携し、宅配貨物の輸送を主なミッションとします。「物流パートナーと強く提携することで新たなビジネスモデルを作る目的」(JAL斎藤祐二経営企画本部長)とのこと。また同社の赤坂祐二社長は「長期的なビジネスとして考えている」と話していることから、現在発表されている3機体制から貨物機を増やす可能性も捨てきれません。

 同社では「ESG経営(※注:環境、社会、ガバナンスの頭文字を取って作られた言葉)」を今後の経営方針の軸として掲げており、その一環で環境に配慮した運航を推進しています。もちろん可能性こそ未知数ですが、今後こういった意味でも、「ガンメタのJAL機」が復活する確率が全くないとは言い切れなさそうです。

【了】

【写真】思った以上にビッカビカ!!「ガンメタのJAL機」の全貌

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コメント

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3件のコメント

  1. ガンメタの意味を取り違えています。ガンメタとおは拳銃のような黒歯青いメタリックのことで、JAL機のような明るいピッカピカのポリッシュドスキンとは違う色です。ガンメタのヒコーキがあるとしたら、軍用機しかないでしょう。自動車、特にスポーツカーには時々ガンメタがありますが。

  2. というか、現在の旅客機は機体に複合材を使ってたりして表面が金属ではない部分もおります。
    アメリカン航空など、もともとポリッシュドスキンを使ってたキャリアがシルバーの塗装に切り替えたのは、製造工程上ポリッシュドスキンにすることが物理的に不可能になったからです。

    なので、この記事の意図がいまいちわかりません。

  3. 却って塩害に弱いとか聞いたことがあるけど…