「ド派手な政府専用機」広島サミットで来日? わざわざ塗り替えられたイギリス空軍機の正体とは
地味な旧塗装での飛来は過去にあり
そもそも、イギリスが「べスピナ」を要人輸送機に改造した当初は、他の「ボイジャー」と同じグレーの塗装でした。しかしボリス・ジョンソン政権が成立しEU(欧州連合)離脱後の新外交政策として「グローバル・ブリテン」を掲げるなか、イギリスを代表して世界中を飛び回る飛行機にふさわしい姿が求められたことで、現在の派手な塗装となった模様です。
イギリス空軍は「べスピナ」の改修にあたって「スマートな新塗装は、貿易、外交、その他のミッションで大臣や王室、その代表団を輸送しながら、世界中で英国をアピールすることになる」とアピールしています。ゆえに、各種イベントでは同空軍のアクロバットチームである「レッドアローズ」と編隊飛行するなど積極的に活用しています。
「べスピナ」は旧塗装のときに来日したことはありますが、新塗装となってからの日本飛来はありません。G7サミットの開催に伴って来日するリシ・スナク首相が「べスピナ」を使用した場合、羽田空港や広島空港で装いを新たにしたイギリス空軍自慢の特別機を見られることでしょう。
【了】
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
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