ゼレンスキー大統領「撮った!」特別車越しに間近で見た表情 その瞬間は絶対に忘れられない

国旗のない黒塗り特別車の登場

 17時、交通規制が始まり広島電鉄の線路に移動式の柵が設置されます。あらゆるカメラが宇品島の方向を向く中、白バイに先導された車列が近づいてきます。

 中央には国旗を掲げていないBMW。間違いなくゼレンスキー大統領が乗った「BMW 760Li High Security」です。構えたカメラのピントを後部座席に合わせ、一気にシャッターを切ります。その瞬間、沿道に詰めかけていた人々から歓声が上がりました。

 ゼレンスキー大統領がこちらに向けて手を振っていたのです。この瞬間、心の中でひとりガッツポーズをしたのは言うまでもありません。とはいえ、窓越しに見た彼の表情は硬く、戦時下の指導者という雰囲気が感じられました。

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サミット直前の5月17日に撮影した広島平和記念公園(深水千翔撮影)。

 ロシアによる侵攻を受けているウクライナの大統領が、広島という日本の地方都市でG7サミットに参加し、原爆死没者慰霊碑へ献花し、合わせて平和記念資料館を見学したことなどは、まさに「歴史的な瞬間」だったに違いありません。

 筆者自身、ゼレンスキー大統領の顔を至近距離で見たことで、いままで遠い異国の地で起きているといった感の強かったウクライナでの戦いが、グッと身近に感じられました。加えて日本とウクライナという2つの国の友好を感じたこの時を、忘れることはないでしょう。

 改めて、ウクライナでの戦闘が一日でも早く終わるようにと祈った、今回のゼレンスキー大統領来日でした。

【了】

【怪しげなバンも】ウクライナ・ゼレンスキー大統領が乗る防弾特別車 警護車列も(写真)

Writer: 深水千翔(海事ライター)

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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コメント

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1件のコメント

  1. 無事に帰れましょうに祈っています。
    汚いロシアのことだから亡きものにしようと必死なはず。