プロペラ逆!? まるで空飛ぶ「いかめし」 フェラーリの赤をまとった“異形の民間機”の正体 世界でも激レア!

フランスの航空会社では、かの「いかめし」のようなユニークな形状をもち、真っ赤なカラーリングが施された飛行機が存在します。今回、その機内やカラーリングの経緯を見聞することができました。

機内はどんな感じ?そしてなぜこんなに赤いのか?

 一方、オヨンエアーは患者や移植用の臓器を空輸する航空会社として、1989年に設立。仏リヨン・ブロン空港に本社を置き欧州全域や北アフリカを活動範囲とし、ほかにビジネスジェット機であるセスナ・サイテーションマスタングを運航しているということです。

「アヴァンティ」の機内は、遠くからでも目立つ真紅の外観とは異なり、患者用のストレッチャーが右側に置かれたほかは、座席があるのみ。内装も簡素でした。脇にいたオヨンエアー社員によると、ストレッチャーは左側にも1台乗せることができるそう。パンフレットには医療機器が搭載された写真が載せられていました。見た目は派手でも中身は機能に徹しているということです。

 実はオヨンエアーで運航するほかのアヴァンティは、青色やグレーに塗られています。展示したアヴァンティの真紅には特別な意味が込められているといいます。本当に、フェラーリとのかかわりがあるのです。

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ストレッチャーを1台乗せた場合と2台載せた場合の配置図(アヴァンティ・エボのパンフレットより)。

 アヴァンティはかつて販売数が伸びず、1998年にフェラーリの創設者エンツォ・フェラーリ氏の息子ピエーロ・フェラーリ氏が筆頭の投資グループから、資金援助を受けて生産を再開した経緯があります。

 生産が続いたことから、オヨンエアーは2022年のファーンボロ航空ショーで、アヴァンティの改良型エボを発注することができました。こうした経緯もあり、オヨンエアーのアヴァンティはフェラーリでお馴染みの真紅をまとっているということでした。

 患者や移植用臓器の輸送をスピーディーに行うのは、スーパーカーの高速性に似たものがあるのでしょう。機体の脇で説明をした社員も、「フェラーリと同じ真紅の機体を使うことができてとてもうれしい」と話していました。

【了】

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日本各地の名産や景勝に興味があり、気ままに目的地を決めて2泊3日程度の 小旅行を楽しんでいる。

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