「日本一混む路線」さらに悪化 日暮里・舎人ライナー3年連続 抜本対策はあるのか
ロングシート化しても難しい…?
「混雑率日本一」3年連続 日暮里・舎人ライナー
国土交通省 都市鉄道政策課が2023年7月14日、都市部の鉄道における路線・区間別の混雑率を公表。全国主要路線で最も高い混雑率を記録したのは、今回も東京都交通局の「日暮里・舎人ライナー」でした。
日暮里・舎人ライナーの混雑率日本一は3年連続です。赤土小学校前→西日暮里の混雑率は155%で、前年の144%から11ポイント上昇しました。
コロナ前の2019年度は189%を記録するなど、以前から混雑は深刻化していましたが、コロナで多くの路線が混雑率を大きく下げた一方で、もともと輸送力の小さい日暮里・舎人ライナーの下げ幅は比較的小さく、日本一になった経緯があります。この路線はゴムタイヤの車両で高架橋を走る新交通システムのため、1両あたりの大きさは通常の鉄道車両より一回り小さく、5両固定の編成で走ります。
沿線の大部分を占める足立区が2020年に実施したアンケート(回答数1444)によると、「1週間に乗車しようとしたが混んでいて乗車できずに電車を見送ることが何回くらいありますか?」の質問に、452人が1~2回以上あると答えています。
そのため、アンケートでも最も要望が多かった車両のロングシート化が進められており、2022年度から2024年度にかけてオールロングシートの330形12編成の導入が予定されています。これにより定員は1編成245人から262人へ17人増え、全編成の8割がロングシート車になる見込みです。
ただ、足立区西部は今後も人口増加が見込まれています。区民からは6両編成化などの要望も強くありますが、ロングシート化以上の対策は、車両基地や駅舎の拡張などの抜本的な工事を行わない限り難しいとされています。混雑は朝のラッシュだけで実際は赤字状態が続いていることもあり、具体化には至っていません。
【了】
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